ここぞの場面で飛び出した、大谷翔平の同点弾 第1打席に潜む「伏線」とは?【地区シリーズ第1戦】
10月5日(現地時間、以下同)に行われたパドレスとの地区シリーズ第1戦、大谷翔平は二回に同点に追いつく3ランを放つと、バットを投げ、雄叫びをあげた 【Photo by Daniel Shirey/MLB Photos via Getty Images】
打った瞬間にそれとわかる一発は、“ここで打ってくれれば”、というところで飛び出した。
初回に先発・山本由伸(ドジャース)が乱れ、いきなり3点のビハインド。しかし、追いかけている時間はそれほど長くなかった。
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ドジャース先発の山本由伸から初回に2ランを放った、パドレスの主砲マニー・マチャド 【Photo by Harry How/Getty Images】
いつものようにバットでベースとの距離を測って、左足の位置を確認する大谷。昨日の会見では、「初めてのポストシーズンで、どう自分の打席を冷静に送れるか」と一抹の不安を口にしたが、杞憂に終わった。
初球、2球目とボール。3球目は、内角のボール球に手を出してファール。この時、自打球が左足に当たった。そこで主審が、少し痛みが和らぐまで、大谷に時間を与えた。ここで気持ちをリセットすると、直後の4球目――高めの真っ直ぐを大谷は捉えた。打球初速111.8マイル、打球角度25度という低空弾道の打球が、右翼席最前列に達するのに要した時間はわずか4.1秒。バットを一塁側に放り投げ、走りながら大谷が全身で絶叫すると、客席はもちろん、ダグアウトも呼応し、蜂の巣をつついたような騒ぎに。1打席目はレフトフライに打ち取られていたが、これ以上はないというポストシーズンデビューとなった。
「危ないところ。ちょっと思っていたよりギリギリの本塁打でしたけど、球界トップクラスの投手から打てたのはすごく自信になった」