小田凱人がパリで叶えた金メダルの夢「引退するときに1番は…」

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パリ・パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで金メダルを獲得し、喜ぶ小田凱人 【写真は共同】

「このためにやっぱ生まれてきたなって、今日ちゃんと再確認できた」

 9月6日(現地時間、以下同)に行われたパリパラリンピック車いすテニス・男子ダブルス決勝で小田凱人/三木卓也組は、イギリスのアルフィー・ヒューエット/ゴードン・リード組と対戦するも2-6、1-6で敗れ金メダルはならず。小田、三木ともにパラリンピックで初めて獲得したメダルの色は銀となった。

 そして迎えた翌7日、ダブルスでの敗戦が「影響することは全くない」と話した小田(世界ランキング2位)はヒューエット(同1位)とシングルス決勝で対戦した。第1セットを先取する幸先いいスタートを切るも、第2セットは取り返される。ファイナルセットは相手にマッチポイントを握られるも耐え切ると、3-5から4ゲームを連取する逆転勝利で、小田が金メダルを獲得した。

「小学生からずっとこの口に出して言ってきた夢が明日ついに叶う」と話したとおり、パリの地で小田凱人の夢が一つ叶った。

ダブルスは決勝で敗れるも小田はポジティブ

 ダブルス決勝の相手はリオ大会、東京大会でも銀メダルを獲得しており、小田/三木組とは6月の全仏オープン決勝、7月のウインブルドン決勝で対戦し、いずれも勝利を収めていた。

 試合は三木のサーブで始まった第1ゲームをイギリスペアにブレークされると、そのまま第2、第3ゲームも連取された。それでも第4ゲームでブレークに成功、第5ゲームをキープし、2-3と追い上げを見せた。しかし、そこから再度突き放されて2-6で第1セットを落とした。

 第2セットもイギリスペアのブレークからスタート、中々ペースを握れない展開が続く。第4ゲームにブレークして1-3とするも、相手の勢いを止めることはできず1-6でストレート負け、金メダルには手が届かなかった。

 2-6、1-6という結果だったものの、小田が「スコア以上にかなり拮抗していた」と振り返ったこの試合、勝負を分けた要因を三木はこう話した。

「パラリンピック決勝の戦い方を知っているかどうか。例えば、技術的な部分や戦術的な部分、そういったレベルの試合を彼らとの試合ではしていないと思う。やはり勝負どころで彼らの方が、東京大会でも、その前(リオ大会)でも(銀メダルという)悔しい思いをしてきたことで、どういうふうに戦うべきかを把握していて、そこの経験値の差だけだったと思います」

 今回は金メダルには届かなかったが、小田はポジティブに「彼らはリオ前からタッグをずっと組んでいて、僕らが(ペアを)組み始めたのは去年。多分このまま行けば、金メダルは来ると思うし、(パリ大会は)その中で最初のメダル」と話した。

 小田とのペアを三木は「彼と組んでこの1年半、やってきた意味は本当にあって、胸を張れると思います。彼とペアだったから、ここまでパフォーマンスをあげることができましたし、自分も本当に成長させてもらったなと思います」と振り返った。

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