“特別な舞台”に立った小田凱人 手の内を隠した初戦とパラリンピックの「その先」への思い
世界ランク2位の小田が自身初のパリパラリンピックの初戦で“手の内を隠しながら”勝利した 【写真は共同】
今大会の会場であるローランギャロスでは全仏オープンも開催されており、小田は2023年、24年と2連覇。相性のいい場所ではあるが、雰囲気は「(グランドスラムとは)やっぱり別物」だったと話した。
小田にとってパラリンピックは車いすテニスを始めるきっかけとなった大会である。名前の“凱人”もパリの凱旋門に由来し、“パリ”で開催される“パラリンピック”には特別な思いを抱いている。大会前には「もしかしたら(人生で)1番大きな舞台になるかもしれない」と話したように、小田凱人の運命の舞台がついに開幕した。
やや苦戦を強いられるも、きっちりと修正し初戦突破
試合は第1セット、相手のサーブに苦戦する場面もあったが、2-2のゲームカウントから先にブレークを奪う。そこから一気に勢いに乗ると、第7ゲームでもブレークに成功。ゲームカウント6-2で第1セットを先取した。
第2セットも1ゲーム目からブレークを奪い、このままリズムに乗るかと思われたが、第2ゲームはバートラムがブレークに成功。そこからお互いにキープを続け、タイブレークに突入した。試合を振り返って「リターンの調子があまり良くなかった」と話していたが、きっちりと修正し、“オダ”コールも起こる中、最後は5連続でポイントを決めて初戦突破を決めた。
初戦から苦戦を強いられた部分もあったが小田は「雰囲気的には彼(バートラム)の日だったと思うが、アウェーに似た状況の中で勝つことができてよかった」と振り返った。
また先の試合を見据えて、手の内を隠した部分あったと話す。
「ライバルたちは試合を見ているので、自分の取っておきたいショットは取っておいたまま、勝つことを狙った。あまりやったことがなかったので難しかったが、もう少し続けて、決勝まで溜めて、最後に全部出し切って勝ちたいなと思います」
3回戦は2日、ブラジルのダニエル・ロドリゲス(世界ランキング19位)と対戦する。