大観衆の中で2冠達成、歴史を変えた上地結衣が繰り返した“感謝”

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女子シングルスで優勝した上地結衣(手前)に声援を送る観客 【写真は共同】

「諦めずにやってきた自分自身ももちろんそうなんですけど、信じてくれた周囲の方々や、自分を支えてくださっている方たちにも、本当に感謝の気持ちを伝えたいと思います」
 
 パリパラリンピック、車いすテニスの上地結衣/田中愛美組が5日(現地時間、以下同)、女子ダブルス決勝でオランダのディーデ・デフロート/アニク・ファンクート組と対戦し、3時間越えの激戦を制して金メダル獲得した。1992年のバルセロナ大会からスタートした車いすテニス競技は、女子シングルス/ダブルスともにオランダ勢が8大会連続で金メダルを独占していたが、ついに日本ペアが壁を破った。

 翌6日に行われた女子シングルス決勝、上地(世界ランキング2位)はデフロート(世界ランキング1位)と対戦。昨日に続くフルセットの熱戦をものにして2冠を達成、再び歴史を塗り替えた。

 4度目のパラリンピックで初めてつかんだ2つの金メダル。上地は喜びとともに、何度も自分を支えた人々やファンへの感謝を口にしていた。

攻め込まれた相棒に「よく頑張ってくれた」

 5日に行われた女子ダブルス決勝、オランダペアは田中にボールを集中させてゲームを進めた。田中は「相手の映像を確認する中で、ストローク戦がメインになると思っていた。そこで引いて追い込まれるショットを連発してしまっては勝機がないと感じていたので、なるべくプッシュしていく意識がありました」と話したように、引かずに粘り強くラリーを続け、上地もそんな田中の姿を「ほんとによく頑張ってくれた」と振り返った。

 試合は第1セットを4-6でオランダペアが先行する展開、それでも「ディーダ(・デフロート)の方にワンプッシュして、いい体勢で打たれるのが、まずやらせたくないこと。それをさせないためにアニク(・ファンクート)の特にバック側にボールを集めて、そこからチャンスが来たときに、自分が田中選手の方に走っていったり、自分の方からでもディーダに打ったりする部分を意識として持っていた」と上地が話したように、ファンクートにボールを集中させていく。一進一退の中でもポイントを重ね、7-6(7-3)で第2セットを取り返すと、10ポイントのマッチタイブレークを10-8で勝利した。

 試合後に田中は「素直に嬉しいなというのと、まだすごく実感が湧いているわけではないので、これからじわじわと実感が湧くのを期待したい」、上地は「実際に(金メダルを)実現できたことに、まだびっくりしている自分もいます」と振り返った。

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