井上尚弥が世界記録に迫る、KO必至のバンタム級日本人対決も 「1995世代」の競演にも注目【9月のボクシング注目試合①】
アンダーカードからも目が離せない
平岡アンディは日本中量級の道を切り拓くか 【写真:ボクシング・ビート】
国内ではWBOスーパーライト級の挑戦権を近藤明広(一力)がアピヌン・コンソーン(タイ)と争い、5回KOで敗れた2019年2月以来の中量級の世界挑戦者決定戦になる。タフな近藤を痛烈に沈め、驚かせたアピヌンも、のちに4団体統一王者となるジョシュ・テイラー(英)にはあえなく初回KO負け。あらためて壁高しを印象づけた。
41歳になるバロッソだが、8ヵ月前の前戦で当時WBA1位のオハラ・デービス(英)を初回TKOで下し、健在をアピールした。平岡はガーナ系アメリカ人の父・ジャスティス・コジョ・トレーナーとともに第一関門を突破できるか。今春の英国スパーリング合宿で手合わせしたサウスポーの世界上位ランカー、ジャック・カテラル(英)からダウンを奪った経験も生かしたい。
「日本人初のウェルター級世界チャンピオンに輝く男」をキャッチフレーズにKOを重ねてきた佐々木にも日本中量級の期待が託される。
相手のバロはライト級で戦った経験もあり、7年前には、のちに同級の3団体統一世界王者となるジョージ・カンボソス・ジュニア(豪)に判定で敗れている。これが唯一の黒星。見るからに屈強だが、決してパワー偏重ではなく、右構え主体でスイッチするなど、やりづらさもある。
パワーとスピードを兼備した佐々木は世界にアピールするためにもKOを狙っていくはずで、スリリングな攻防が展開されそうだ。
下町俊貴の牙城に挑む日本ユース・スーパーバンタム級王者の津川龍也(5月16日撮影) 【写真:船橋真二郎】
そんなハイレベルな王者に対し、日本ユース・スーパーバンタム級王者の津川が挑む。シャープな攻防はセンスにあふれ、潜在能力の高さは誰もが認めるところ。小学1年からの空手、キックボクシングに加え、U-15ボクシング全国大会にも出場するなど、身に染みついた格闘技経験は下町にはないもの。9月3日の有明アリーナはオープニングから目が離せない。
「1995世代」の李健太、中野幹士が競演
初防衛戦に臨む日本スーパーライト級王者の李健太(7月19日撮影) 【写真:船橋真二郎】
大阪朝鮮高級学校時代に高校6冠、62連勝のアマチュア日本記録を打ち立て、日大と合わせて112戦(102勝10敗)というアマ戦歴を経てきた大器がまず目指すのは「圧倒的で、スキのないチャンピオン」。同じ階級の平岡アンディの世界挑戦者決定戦にも刺激を受けているはずで、これが初タイトル挑戦の山本ライアンジョシュア(ワタナベ/30歳、7勝1KO6敗)に対し、レベルの高いパフォーマンスを見せるはずだ。山本はどこまで食い下がれるか。
強打を誇る期待の中野幹士はプロ初タイトルを狙う(4月12日撮影) 【写真:船橋真二郎】
メインの李健太とは有力選手を多数輩出する「1995世代」の同い年。ブリックス・ピアラ(比/22歳、9勝3KO1敗)とのサウスポー対決を制すれば、“黄金世代”から13人目の王者となる。「お客さんは倒す試合、倒しに行く姿勢を見たいと思うので、プロとして見応えのある試合を見せたい」と力強く誓っていた。いずれの試合も「U-NEXT」でライブ配信される。