パリ五輪に臨むFW佐藤恵允、磨いた個の打開力と“他者とのつながり”
“明治発世界へ”を体現できたら
「偉大な先輩たちのように、“明治発世界へ”を体現できたらと」と語る 【写真は共同】
初戦の中国戦で公判途中から左ワイドに入り、数的不利のチームにおいて球際の激しい守備と、運ぶドリブルで苦しむチームを助けた。それ以降は第2戦のUAE戦、準々決勝のカタール戦、決勝のウズベキスタン戦に左ウイングでスタメン出場を果たし、かつ全6試合すべてに出場。ゴールこそ生まれなかったが、「球際、切り替え、運動量」をベースに周りとリンクしながら、攻守においてチームのためにストロングポイントを出し続けた。
そして、7月3日発表されたパリ五輪に臨む18人の中に選ばれた。昨年、ドイツに飛び立つ前に彼はこう口にしていた。
「もっと世界で通用する選手になりたいし、パリ五輪はもちろん、その先の2026年のワールドカップも目指しているので、そのために今何をすべきか常に考えています。長友佑都さんなどの偉大な先輩たちのように、“明治発世界へ”を体現できたらと思います」
まっすぐに未来と、時間を共にする仲間を見つめて。パリでは真夏の炎天下で中2日の連戦という過密日程で、しかもメンバーが通常の国際大会より少ない中で行われる。
チームとしての底力が問われる戦いとなるからこそ、佐藤恵允が積み上げ、さらにドイツで1年をかけて磨いた個の打開力と、自分のことを知らない周りと培ってきた“他者とのつながり”の力が必要不可欠となる。自覚と覚悟を持って。真価を発揮する最高の舞台がいよいよやってくる。