【赤星憲広が徹底解説】貧打に苦しむ阪神打線に光明は?「後半戦のキーマン」を独自分析で明言
主砲・大山をはじめ打撃陣が不振にあえぐ中で、赤星氏がキーマンに挙げる選手は? 【写真は共同】
「主砲の不調」「4番・近本」を徹底解説
そのうえで赤星さんはまず、打線不振の原因を分析する。他球団が、前年日本一の阪神打線を徹底マークしているのは明らかなこと。昨季、阪神は下位打線が塁に出て、上位打線がそれを還す、「“打線のつながり”で点を取れるチームだった」(赤星さん)。しかし今季は、どの選手も昨年並みの打撃力を発揮できていない。
ここで赤星さんは「3年続けて結果を出したら、本当の力だ」と、自身の現役時代に先輩選手や首脳陣から幾度となく聞いた言葉であり、今の赤星さんの持論でもある言葉を披露する。今季、なかなか打率が上がらず苦しんでいる選手たちに、奮起を促すひと言だ。
赤星さんがまず個別に名前を挙げたのが、主砲・大山悠輔。春季キャンプで臨時コーチを務めた赤星さんは、大山が下半身のコンディション不良を抱えたまま開幕を迎えたことは当然知っていた。しかし、「ここまで打てなくなるとは想像しなかった」と言う。大山に何が起こったのか。どこで、迷走しているのか赤星さんが分かりやすく説明する。
次に名前が挙がったのは、今季、約3週間の二軍落ちまで経験した佐藤輝明だ。赤星さんは佐藤輝を「チームの中心にならなければいけない選手」と認めたうえで、岡田監督がなぜ彼を二軍に落としたか解説。再昇格後、佐藤輝に「ひたむきさが出てきた」と岡田監督の目論見通りであったことを、赤星さんも見て取った。ところがバッティングの状態は、二軍調整後もあまり上がってきていない。果たして今後の佐藤輝に、打棒爆発のチャンスはあるのか。赤星さんの忌憚のない意見を聞こう。
大山、佐藤輝に代わって4番を務めたのが、近本光司である。この「4番・近本」について、赤星さんが岡田監督に取材したところ、返ってきた答えはひと言、「おらんやん」だったという。活発な下位打線を「1番・近本」が還していた昨季。しかしその下位打線が機能しない以上、打てない打線の中でもアピールしている選手を上位に置き、4番・近本に還してもらう作戦を取るしかない。