宇都宮ブレックスのD.J・ニュービルが初の2カ月連続MVP受賞…恐れ知らずの闘う男がCSの舞台へ「目標は優勝だけ」
2カ月連続の月間MVPという史上初の快挙を成し遂げたD.J・ニュービル 【提供:宇都宮ブレックス】
ニュービルはアメリカ生まれの31歳で、193センチ96キロのコンボガードだ。大阪エヴェッサから宇都宮に移籍した今シーズンは、時間の経過とともに彼のパフォーマンスとチームの成績が「右肩上がり」の上昇を見せている。もちろんニュービルの活躍だけが理由ではないが、リーグ戦では2月が5勝0敗、3月が9勝0敗と2カ月を無敗で乗り切った。
3月の彼は1試合平均21.2得点5.0アシストを記録。「確率」、「チームに与える影響」はさらに傑出している。3ポイントシュート成功率57.1パーセント、プラスマイナス(その選手が出場していた時間帯の得失点差)「+16.3」は“モンスタースタッツ”と言い得る水準だろう。
しかし今回のインタビューでは「個人の成績」を誇るようなコメントが一切なかった。どんな時も相手を上回ろうと全力を尽くす、勝利を貪欲に追い求める――。そんなニュービルのストイックな姿勢がにじみ出た内容だ。
3月も全試合に勝利「チームとしてのケミストリーがシーズンを経て上がっている」
3月は1試合平均21.2得点5.0アシストに3ポイントシュート成功率57.1パーセントを記録 【(C)B.LEAGUE】
受賞を大変光栄に思っています。まずチームの好調がこの受賞の要因ですし、同時に私がいいパフォーマンスをした証明でもあります。推薦してくださった方に感謝します。
――宇都宮は2月も5勝0敗と無敗でしたが、3月は9勝0敗で、3月を終えた時点でレギュラーシーズンは18連勝でした。この素晴らしい状態、結果についてもコメントをお願いします。
これだけの成績をファンの皆さんにお届けできて、うれしい気持ちです。理由を探るなら、やはりチームとしてのケミストリーがシーズンを経て上がっているからでしょう。私だけでなく、選手全員がステップアップして、それぞれの役割をしっかりと担っています。それが好調の結果です。
――3月はサンロッカーズ渋谷、レバンガ北海道、秋田ノーザンハピネッツ、仙台89ERS、千葉ジェッツ、シーホース三河と対戦していますが、印象深い試合はありますか?
日曜の三河戦(3月31日/89-81で勝利)ですね。第4クォーター残り6分の時点で10点近くリードされた状況でしたが、チーム全体が「絶対に勝てる」と信じてプレーしていました。結果として盛り返して勝つことができて、それが印象深いです。
――ニュービル選手も34得点9リバウンド7アシストと大活躍でした。どこかで「スイッチ」が入るような展開だったのですか?
得点を決めるチャンスが多かったので、そうやってスタッツは伸びましたが、私はどんな試合も集中力を持って臨んでいるつもりです。
――3月のニュービル選手はコンスタントに高いレベルのスタッツを叩き出して、1試合平均でも21.2得点5.4リバウンド5.0アシストを記録しました。プラスマイナスが「+16.3」はなかなか見ない数字です。もちろん「そこだけ」にフォーカスしているわけではないでしょうが、このスタッツについて感想はありますか?
「勝つこと」が一番気にしている、注力している部分です。私たちの目標はもちろん優勝ですし、そのためには1勝でも多く積み重ねていかなければいけません。だから個人のスタッツでなく、チームの勝利にこだわっています。
――3月の3ポイントシュート成功率は57.1パーセントでしたし、試投数も1試合平均7.8本を記録しました。チームメートのお膳立てもあったはずですが、この数字をどう見ていますか?
常にディフェンスの状況を見ながらプレーしていますし、日頃から高いエネルギーを注いでシュートの練習もしています。練習はたくさん積んでいるので、自分のシュート力には自信を持っています。どのような状況でも自信を持って、状況に応じてシュートを狙っています。
――シュートについてはどのようなトレーニングをしているのですか?
「繰り返し打ち続けること」が大切だと感じています。練習前、練習後は毎日シューティングをしていますし、オフシーズンは1日1000本を決めることを自らに課しています。回数を重ねれば自信も増します。