宇都宮ブレックスのD.J・ニュービルが月間MVP初受賞…東地区首位浮上の立役者に
2月度は1試合平均21.0得点6.4アシストを記録したニュービル 【提供:宇都宮ブレックス】
ニュービルはアメリカ生まれの31歳で、193センチ96キロの(ポイントガードとシューティングガードをどちらもこなす)コンボガードだ。2020-21シーズンに来日し、大阪エヴェッサで3シーズンにわたり大活躍。今シーズンからは宇都宮に移籍し、リーグ屈指の強豪にあっても今までと同等以上に輝きを見せている。
彼は今までも「月間MVP候補」の常連だったが、実際の受賞は今回が初となる。2月の5試合は1試合平均21.0得点6.4アシストの大活躍を見せ、5戦全勝で東地区首位に浮上したチームを引っ張った。今回のインタビューはチーム浮上の理由、チームメート評に加えて、ボクシング歴や外国籍出身Bリーガーとの縁など意外なエピソードも飛び出している。
2月は5戦全勝「チームが成長できた1カ月」
宇都宮のオフェンスをけん引した 【(C)B.LEAGUE】
とても光栄に思っています。すごくうれしいです。
――宇都宮は2月の5試合を5勝0敗で終えました。どんな2月でしたか?
チームとしていい月でした。代表ブレイクに入るまでいい流れを続けることができて、チームが成長できた1カ月だったと思います。
――ニュービル選手個人としては、1試合平均で29.0分のプレータイムを記録し、21.0得点6.4アシストを挙げています。シュートの成功率も2ポイントが78.8パーセント、3ポイントが50.0パーセントと抜群でした。
自分としても素晴らしい月でした。チームがしっかりと勝利を重ねることができ、私たちのハードワークが実を結んで、すごく良かったです。
――2月の5試合の中で、何か印象に残っているカードはありますか?
やはり、ファイティングイーグルス名古屋戦ですね。(2月3日の)第1戦(81-80で勝利)はアイザック(・フォトゥ)選手のブザービーターで勝ちました。チームの一員として、ああいった劇的な勝利というのを経験できてすごく楽しかったです。そして、第2戦(81-69で勝利)は前日にうまくいかなかった点をチームとして修正して、しっかりとリードを作って勝てた。その2試合が特に印象に残っています。
――天皇杯準決勝の敗戦はありましたけど、1月と2月のリーグ戦は合計12勝1敗です。
チームの連動性、連携がすごく上がっています。試合や練習を重ね、経験を積むごとに、自分たちのケミストリーがどんどん高まっています。加えて2023年は少しケガで選手が抜けた状況もあったのですが、今は全員がそろった状態でプレーできています。
――チームメートについてお聞きします。ニュービル選手は外国籍枠の関係で竹内公輔選手とそろってプレーする時間が長いと思います。ニュービル選手から見た竹内選手はいかがですか?
彼は本当に長い間このリーグでプレーしています。日本代表など、高いレベルの経験も豊富です。「誰がどこにいて、自分がどういう役割をしなければいけないか」を理解していて、その上でハードにプレーする選手です。そういった選手と一緒にプレーできることは、すごく楽しいです。
――大阪エヴェッサ時代は、双子の弟である竹内譲次選手とプレーしていました。
彼も本当に能力、技術が高いし、「自分に何ができるか」を理解して、いい意味でそれを超えるようなことはしないタイプです。当然ながら似ている点はありましたよ。
――宇都宮の中では比江島慎選手がニュービル選手ともにオフェンスの中心、チームのエースです。ニュービル選手は比江島慎選手のキャラクター、プレー、スキルをどう見ていますか?
比江島選手は「必殺仕事人(クワイエット・アサシン)」ですね。あまり多くは喋らないですが、態度で示し、自分のプレーでチームを引っ張っていくタイプです。今シーズンも、本当にクレイジーなタフショットも決めたりしています。あれだけ能力が高い選手と一緒にプレーしていると、周りの選手もすごくプレーしやすくなる。やはり彼とのプレーをエンジョイしています。
――田臥勇太選手についてはどうご覧になっていますか?
田臥選手は、本当にチームを一つにしてくれる存在です。ロッカールームでも、ハーフタイムにも、彼の発言によって、チームの一体感が高まっています。試合中に選手がベンチに戻ってきた時も、彼は積極的にアドバイスを与えるし、感情的になっている選手がいたら落ち着かせてあげられる。チームが常に一つになってプレーや試合に臨めるように、すごくうまくコミュニケーションを取ってくれています。自分自身も彼と一緒にプレーができて、光栄に思っています。
――大阪から宇都宮ブレックスへの移籍を決めた時、迷いはありましたか?
そんなに難しい判断ではなかったです。というのも自分が3年間、対戦相手としてブレックスと対戦する中で、どういったチームかはわかっていたからです。佐々(宜央)ヘッドコーチのもとでプレーしたことのある選手から、いろいろな話も聞きましたが、みんな「素晴らしいコーチだ」と言っていました。ケビン(・ブラスウェル)アソシエイトコーチも、ずっと長く知っていました。
何より相手チームにとっては本当にやりにくい環境をホームで作っていて、ホームチームにとっては最高のサポートをしているファンがいます。それは大阪時代の経験からわかっていました。
――宇都宮に来るとオンリーワンから「サム・オブ・ゼム」になるし、ハードワークもより求められたと思います。そこについてはどう感じていましたか?
宇都宮のような「チームオリエンテッド」のスタイルの中でプレーすることは、特に新しい経験ではありません。大阪でも、1シーズン目はもっと「チームでプレーする」スタイルでしたから。