元木大介が2024年セ・パ両リーグの順位を予想 覇権奪回を狙う巨人の投打のキーマンは?

大利実

<元木大介氏パ・リーグの順位予想>

1位:オリックスバファローズ
2位:福岡ソフトバンクホークス
3位:北海道日本ハムファイターズ
4位:千葉ロッテマリーンズ
5位:埼玉西武ライオンズ
6位:東北楽天ゴールデンイーグルス

黄金期突入のオリックスが4連覇

元木氏は中嶋聡監督が勝ち方を知っているオリックスが優位と見ている 【写真は共同】

――続いて、パ・リーグをお願いします。

 オリックス、ソフトバンク、日本ハム、ロッテ、西武、楽天でお願いします。

――オリックスの4連覇。

 山本由伸投手の移籍は痛いですが、山下舜平大投手や東晃平投手など若い投手がどんどん育っているので、カバーできると思います。何より、中嶋聡監督を中心に、1年間の戦い方、ペナントの勝ち方を知っているのが大きい。ベテランと若手のバランスも良く、黄金時代に入っていますね。

――クローザーでは、40歳の平野佳寿投手が変わらぬ存在感を見せています。

 決め球のフォークがクローズアップされますが、ストレートあってこそのフォークです。ストレートで押し込めているうちはまだまだやれるでしょう。

――2位が小久保裕紀新監督のソフトバンク。

 オリックスを追う一番手になります。山川穂高選手の加入によって、打線はより厚みを増しました。先発陣がやや不安な点と、オリックスとの経験値の差で2位と予想します。

――巨人からウォーカー選手が加入しました。

 やってくれると思いますよ。DH制のパ・リーグであれば、守備に対する心配がなくなりますからね。みなさん知ってのとおり、守備が大の苦手。打つ能力はありますし、走塁もアグレッシブにできる。大きな戦力になるはずです。

――5年連続Bクラスの日本ハムが3位にジャンプアップ。

 山崎福也投手の獲得に成功し、楽しみな外国人も加わり、チームの層が厚くなっています。新庄剛志監督も3年目で勝負の年。春季キャンプ前に会ったときには、「野球をする」と言っていました。ここまでの2年は、選手の力量を見極め、やりたい野球を伝えることに時間を割いていたと思います。パ・リーグをかき回してほしいですね。

――強力な先発投手陣が引っ張る西武が4位。

 その先発陣が、どこまでチームのためにプライドを持って、頑張れるか。厳しい言い方ですけど、個々の成績を優先して、メジャーリーグへの意識が強く見えるピッチャーもいます。

――元木さんもよく知る炭谷銀仁朗選手が加わりました。

 銀(炭谷)は経験豊富なキャッチャーなので、スタメンでマスクをかぶる機会が増えれば、投手陣をまとめることはできるかもしれません。若いピッチャーが多いだけに、その役割は大きいと言えます。

――昨年2位のロッテは5位。

 佐々木朗希投手次第でしょうね。小島和哉投手、種市篤暉投手ら計算できる先発はいますが、佐々木投手が柱として1年間働くことができれば、Aクラス入りは十分にあります。

――最下位は楽天。

 投手も野手も、意気のいい若手がなかなか出てこないのが気になります。ピッチャーは早川隆久投手、荘司康誠投手らが育ってきていますが、打つほうは浅村栄斗選手や島内宏明選手に頼らざるをえない現状。今江敏晃監督を迎えて、チームを変えていくにはもう少し時間が必要になると思います。


企画構成:株式会社スリーライト

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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