落合監督時代のドラフト 就任1年目「高校生は1人もいらない」発言の真意
「高校生はいらない」の真意
8巡目のJR東日本・小山良男と9巡目の日本通運・金剛弘樹は落合さんから「獲ってくれ」というリクエストがあって指名した選手だ。落合さんは日本通運の選手を好む傾向があることは書いたが、JR東日本の選手も好む傾向があった。こちらの理由はよくわからないが。
12巡目、ドラフト全体の最終指名となった法政大の普久原も落合さんのリクエストだ。時にいろいろな関係から、「獲って欲しい」「獲ってやってくれ」ということもドラフトにはよくある話。選手枠が空いており、下位指名でいいのであればスカウト部としても特に問題はない。
指名が12位までいったのは、落合さんが「大学、社会人は良い選手がいれば何人でも獲ろう」ということでこうなった。
就任1年目、落合さんが春のキャンプで選手達を鍛え上げたことは有名だが、落合さんのなかでは「ドラフトで高校生を獲ったところで鍛え上げられない」という考えがあったのではないかと思う。それが「高校生はいらない」という言葉に繋がったのだと理解している。
落合さんは「高校生はわからない」ともよく言っていた。それは目の前の練習についてこられるかわからないし、2年、3年と練習についてこられるのかもわからない。大学、社会人の選手ならば少なくとも厳しい練習にはついてこられる。練習についてこれさえすればなんとかなる。そういうことをよく言っていた。だから落合さんのドラフトの基本方針は大学、社会人が中心になるのも致し方のないことだった。