過去10年の傾向から解き明かすプロ野球12球団の「ドラフト戦略」

ドラフト5位指名から3年目で大ブレイク 阪神・村上頌樹はなぜ成り上がれたのか

楊枝秀基
アプリ限定

佐藤輝、伊藤将、中野らと同じ20年ドラフトの5位指名で阪神入りした村上は、3年目の今季に大ブレイク。18年ぶりのリーグ優勝に多大な貢献を果たした 【写真は共同】

 今季のNPBで最大の驚きが、阪神・村上頌樹の活躍かもしれない。この1年で大飛躍を遂げた25歳の右腕は、2020年のドラフトで5位指名されて東洋大から阪神に入団した。下位指名でプロ入りし、これまで一軍での実績が皆無に近かった大卒3年目の投手が、いかにしてセ・リーグ優勝の立役者となったのか。村上頌樹の軌跡をたどる。

故障がなければ上位指名の可能性もあったが

甲子園優勝投手として東洋大に進学。この東都の強豪でも主戦となったが、4年秋に右腕を痛めて最後のシーズンをほぼ棒に振ることに。このケガがなければ、5位よりも上の順位でドラフト指名されていたかもしれない 【写真は共同】

 野球選手がプロ入りしてからどんな成績を残していくのか。こればかりは誰にも予想がつかない。それが野球界の定説だ。

 鳴り物入りでプロ入りするも一軍出場なしで球界を去る選手もいる。下位指名であっても球史に名を刻む選手だって存在する。2023年に大ブレイクした阪神・村上頌樹投手(25)の場合は後者の代表例と言っていいだろう。

 東洋大から20年ドラフト5位で阪神に入団。同期には1位・佐藤輝明、2位・伊藤将司、6位・中野拓夢、8位・石井大智と現在、一軍で大活躍するメンバーが揃っている。今だからこそ大当たりドラフトだったことがわかるのだが、村上とて特に注目選手だったというわけではないのが事実だ。

 様々な経緯を経てプロ3年目に大ブレイクした村上。果たしてプロ入り前の各球団スカウトの評価はどうだったのだろうか。
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ

1/2ページ

著者プロフィール

1973年生まれ、神戸市出身。関西学院大から98年に『デイリースポーツ』入社。巨人、西武、ヤクルトなどを担当した後、2004年は合併消滅した近鉄、05〜10年は阪神、11年はオリックス番記者を務めた。13年からフリー。東京スポーツコラム「ワッショイ!!スポーツ見聞録」を不定期連載中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント