次々と新戦力が台頭、常に進化してきたオリックス “絶対的安定感”の王者に死角はあるのか?
好投を続けるエース・山本(中央)を中心に、今季もオリックスは「強さ」を発揮している 【写真は共同】
※成績はすべて9月8日時点のもの
1度のみの4連敗と8度の4連勝以上
だが、蓋を開けてみれば、開幕から安定感抜群の戦いを続けた。4月を14勝10敗で終えて以降、月単位で勝率5割を下回った月はなく、6月以降は3カ月連続で勝率6割以上。ここまで4連敗が1度あるのみで、4連勝以上を計8度(最大8連勝)マーク。現時点で71勝45敗4分けで優勝マジック14を点灯させている。
投手陣では高卒3年目の山下舜平大がブレイク。野手陣では育成ルーキーの茶野篤政が開幕からスタメンで奮闘し、大卒5年目の頓宮裕真が“打撃開眼”で快音連発の日々。不振の選手やケガ人も出たが、1軍と2軍の風通しが良く、次々と若手が頭角を現すだけでなく、中堅、ベテランの面々も調子が上がればしっかりと出番を与えられ、改めて就任4年目の中嶋聡監督のチームマネジメント力の高さが光っている。
「沢村賞」と「10勝カルテット」の行方は?
その筆頭は今季も山本由伸だ。2年連続沢村賞のエースは、最初の3試合を1勝2敗スタートとなったが、4月末からの6試合を5勝0敗で防御率1点台をキープすると、8月以降の5試合でも4勝1敗で自責0(失点3)と好調をキープしている。現時点で13勝(5敗)、防御率1.34、勝率.772の投手3冠だ。ただ今季は、完投数、投球回、奪三振数などで他球団の投手に劣っており、3年連続沢村賞のためには「15勝」「150奪三振」の基準はクリアしたい。残り「2勝」と「13奪三振」をマークできるかに注目だ。
その山本に加えて、宮城大弥(9勝4敗、防御率2.35)、山下舜平大(9勝3敗、防御率1.61)、さらに山﨑福也(9勝4敗、防御率3.40)が2ケタ勝利にリーチをかけており、残りシーズンの中でそれぞれがしっかりと白星を挙げられるか。「10勝カルテット」の誕生が期待される。