羽生、三原、友野らが生歌に合わせたプログラムを披露 『ファンタジー・オン・アイス』で感じた“ライブ”の価値
スケートで観客と対話する三原舞依
三原舞依『花』 伸びやかなスケーティングで『花』を表現した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
今季グランプリファイナル女王の三原舞依は、夏川りみの歌う『花』に合わせて可憐な滑りをみせた。白地にピンクや紫の花が描かれた衣装で、ゆったりとしたメロディに乗せて伸びやかなスケーティングを披露する。日頃積んでいる鍛錬がうかがわれるスパイラルやバレエジャンプ、ビールマンスピンは、フィギュアスケートならではの美しさを堪能させてくれるものだった。
手の振付で歌詞の意味も伝えながら滑る三原は、味わい深い歌声と一体になり、スケーティングで観客に語りかけているようにみえた。『花』の歌詞が持つ深い意味を表現できるのは、23歳の三原が難病や体調不良など困難を乗り越えてきたからではないだろうか。
三原は、今季世界選手権や国別対抗戦のエキシビションでは『Sakura』を滑り、日本の春の美しさを表現している。そして夏が近づくこの日に滑った『花』では、沖縄の明るい陽光を感じさせてくれた。
新境地を開拓した友野一希
友野一希『紡―TSUMUGI―』 メロウなナンバーで新たな魅力を見せた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
今までの友野は速いテンポの曲でみせる軽快な滑りが印象的で、メロウなこのナンバーは新境地といえるかもしれない。友野のエンターテイナーとしての魅力が、ISSAの圧倒的な歌唱によってさらに引き出された印象を受けるプログラムだった。