島根のペリン・ビュフォードが今季3度目の月間MVP受賞…Bリーグ3年目を終え、激闘のCSを振り返る
逆境を原動力にさらなる成長を誓う
島根をけん引したエースは仲間への感謝も忘れなかった 【提供:島根スサノオマジック】
名誉なことですし、喜んでいます。これは自分の陰の努力の賜物(たまもの)ものだと感じています。皆さんが普段見えていないものを、うまくコートに表現できた時に得られる賞だと思っています。私は日々心身ともに、技術的にもそうですけど鍛錬に取り組んでいるつもりです。何回受賞しても、飽きることはないですね。
――何回目でも、喜びは変わらないですか?
はい、もちろんです。
――4月、5月はかなりタフなスケジュールを、島根は9勝5敗で終えました。西地区の1位を微差で琉球ゴールデンキングスに譲ることになったわけですが、チームとしてどんな1カ月でしたか?
終盤戦に入ってウィリアムスニカ選手が負傷してしまって、チームのアイデンティティーを作り直さなければいけない状況になっていました。琉球が西地区1位になって、我々は厳しい戦いを強いられましたけれど、逆に成長のいいきっかけになったと思っています。いろいろな模索をしながら、どう戦っていくべきかも発見できました。苦しんだこと、敗れた試合もありましたが、「失敗をした時期」とは決して受け止めていません。それがあったおかげで、我々はさらに強くなるきっかけを得たのではないかと感じています。
――来シーズンはどういうシーズンにしたいですか?
キャリアで最高の1年になると思っています。来シーズンどこのチームで戦うかはまだわかりません。ただチームの勝利のため、ウィニングメンタリティ(勝者の精神)を私は持ってこようと思っています。自分たちが“常勝軍団”となるために全力を尽くします。
――今シーズンこれだけすごい記録を残した、すごいプレーをした自分に掛けてあげたい言葉はありますか?
もし自分に声を掛けるとしたら「まず自分がどこから這い上がってきたのか、生い立ちを思い出しながら、どうやって成功したのを改めて振り返りながら、同じプロセスを繰り返して、成功を繰り返せるようにしていこう」という言葉です。
――チームメートへの感謝の言葉があれば、ぜひ聞かせてください。
まずニック・ケイ選手に感謝を伝えたいです。彼はうちのチームの“グルー・ガイ”(glue guy/選手と選手をつなぐ、隙間を埋める存在)です。自己犠牲を払ってくれて、要所要所で素晴らしいスクリーンをかけてくれています。外のシュートを決めることで、(インサイドの)スペースも作ってくれています。
その次は、安藤誓哉選手ですね。私は彼が本当にBリーグナンバーワンのポイントガードだと思っています。今シーズンはキャプテンとしてリーダーシップを発揮して、要所でシュートも決めてくれています。調子が良くなかったとしても、チームをリードしてステップアップしてくれたので大変感謝しています。
3番目は自分の一番好きなチームメート、北川弘選手です。彼はプロ意識が高くて、どんな状況においても自己犠牲を払ってくれています。それと“トリプルダブル・ウォッチマン”として、自分が“トリプルダブル”を達成しそうな時に、「アシストをした方がいいよ」と後押ししてくれていました(笑)。彼にも大変感謝をしています。
最後に、チームメイト全員に感謝したいですね。自分は本当に高いスタンダードを求めていますが、それを受け入れてく、どんなときでも共に戦ってくれたからです。
――日本での3シーズンを終えて、特に「やり残している」ことは何かありますか?
言うまでもないことですが、(チャンピオンシップの)優勝です。
――今までのお話を通じて思うことですが、ビュフォード選手はキャリアを通じて「悔しさ」を成長の糧にしてきたタイプですね。
そのとおりです。当然バスケットボールでもそうですけれど、自分の人生においても悔しさ、逆境を原動力にしながら邁進できるように、いつも心掛けています。英語では「圧がダイヤモンドを作る」という表現をよく使います。そういった経験から何かを得ながら、精進していきたいと常に思っています。
――最後に島根のファンにメッセージをお願いします。
どんなに感謝しても感謝しきれないのですが、常に私とチームメート、そして家族を島根の皆さんが支えてくださって、それが私の力になっています。これは決して忘れません。皆さんに自分の感謝が伝わったらうれしいです。
(構成/バスケットボールキング編集部)