張本、初メダル&中国越えなるか ハイレベルな上位争いに日本男子が挑む

月刊『卓球王国』
 5月20日より、南アフリカ・ダーバンで開催される世界卓球選手権個人戦。世界選手権は1年おきに個人戦と団体戦が交互に開催されるため、今大会はパリ五輪前最後の個人戦となる。2021年にアメリカ・ヒューストンで開催された前回大会、日本男子は宇田幸矢/戸上隼輔が男子ダブルスで銅メダルを獲得。今大会はシングルスでのメダル獲得、ダブルスでもさらに上を目指す。

第4シードとして挑む張本は悲願のメダル獲得なるか

張本は「どんな困難が来てもそれを受け止める自信はある」と語り、メンタル面の成長にも手応え 【長田洋平/アフロスポーツ】

 今大会、日本からは張本智和、宇田幸矢、戸上隼輔、及川瑞基、吉村真晴の5名が出場。水谷隼が現役を退き、丹羽孝希も国際大会からの引退を発表し、世界選手権個人戦には吉村が5度目、張本が4度目、宇田と戸上が2度目、及川が初出場となる。2017年大会の混合ダブルスで優勝を果たすなど、ダブルス種目で4度メダルを獲得している吉村は、29歳にして初めてシングルスへの出場を果たすこととなる。

 また、世界選手権初出場を決めていた19歳の篠塚大登は大会直前に腰の故障により無念の出場辞退。日本男子を率いる田㔟邦史監督も大会出発前の会見で「日本男子として篠塚の分まで頑張りたい」と語るなど、個人戦ではあるがチームジャパンとして挑む姿勢を見せた。

 今大会、シングルスには128名が出場するが、出場選手のうち世界ランキング上位32名がシード選手として優先的にトーナメントに組み込まれ、日本では張本と宇田がこれに該当する。上位32名以降はランダムでドローされるため、戸上、及川、吉村は早いラウンドで強豪選手と対戦する可能性が高い。

 現在、世界ランク4位の張本は今大会の第4シード。世界ランク1〜3位の樊振東、王楚欽、馬龍(いずれも中国)とは準決勝まで対戦しない組み合わせとなる。昨年の世界選手権団体戦では中国との準決勝で2勝をあげるなど、その実力は世界トップレベル。本人も「全体的な精神状態は対中国のときが一番安定している。いつも中国選手と試合をするのはすごく楽しみ」と語るように、王者・中国を相手に最高のパフォーマンスを発揮できるのは大きな強みだ。

 その一方、13歳で初出場を果たした2017年大会では衝撃のベスト8進出を果たすも、以降は2019年大会でベスト16、前回の2021年大会では2回戦敗退と苦戦が続いており、19・21年大会はいずれも格下の選手に敗れた。「まずは中国選手のところまで取りこぼしなく勝ち上がりたい」(張本)と向かってくる相手に対して受け身になることなく、確実に一戦一戦をものにしたい。

 19歳ながら「自分の中ではもうベテランだと思っている。チーム最年少だけど、誰よりもうれしい思い、辛い思いをしてきている自信はある」と語り、今大会でのシングルスのメダル獲得への思いは強い。「これから10年、15年と自分が日本代表の顔であると証明する大会にしたい」と決意を述べたが、来年のパリ五輪へ向けて大きくステップアップする大会にしたい。

 また、張本は早田ひなとのペアで混合ダブルスに出場。前回大会では銀メダルを獲得したが、今大会で狙うはさらに一つ上、優勝だ。

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