張本、初メダル&中国越えなるか ハイレベルな上位争いに日本男子が挑む

月刊『卓球王国』

シングルス初出場・吉村は番狂わせを起こせるか

初のシングルス代表をつかんだ吉村。1月のアジア大陸予選では馬龍にも勝利 【長田洋平/アフロスポーツ】

 世界ランク20位の宇田は当初は戸上との男子ダブルスのみに出場予定だったが、篠塚の欠場により、急遽シングルス出場が巡ってきた。ここ最近は国際大会で苦戦が続いているが、持ち前のパワーと爆発力で大暴れに期待したい。全日本チャンピオンの戸上は世界ランキングこそ48位だが、ベスト16まで勝ち上がってもおかしくはないだけのポテンシャルはある。このところは世界上位ランカーとの対戦でも互角の勝負を演じており、田㔟監督も「威力は世界で通用するものがあったけど、経験不足と長所を発揮するための自信がなかった。世界選手権団体戦や全日本で結果を残すことで自信がつき、自分のプレーが出せるようになってきている」と期待を込める。また、宇田と戸上は今大会でも男子ダブルスに出場。「優勝」を掲げて大会に臨む。

 世界選手権個人戦初出場の及川も、このところは国際大会での成績が伸び悩んではいる。しかし、かつては強豪ひしめくドイツ・ブンデスリーガで個人成績1位に輝くなど、上位勢と渡り合えるだけの実力はある。「前回の(世界選手権)団体戦で銅メダルを獲れたし、世界選手権独特の雰囲気も味わえたので、今大会でもメダルを目指して頑張りたい」と、持ち前のクレバーな試合運びで存在感を見せてほしい。

 吉村は国際大会出場が少ないため、現在の世界ランクは105位。今大会は序盤から強豪との対戦となる可能性が高い。しかし、リオ五輪団体戦で銀メダルを獲得し、世界選手権混合ダブルスでも優勝とビッグゲームでの強さは折り紙付き。「やっとシングルスで切符をつかむことができた。自分なりに卓球が成熟してきて、トップで戦えるようになってきたというのを感じている。まだまだ強くなれるし、一歩一歩成長していきたい」とモチベーションも高い。その実力と勝負強さで番狂わせを起こす可能性も十分にある。

縮まる中国と他国の実力差。男子は群雄割拠の戦国時代へ

前回大会準優勝のモーレゴード。ユニークな形状のラケットと大胆なプレーが魅力 【Photo by Bai Yu/CHINASPORTS/VCG via Getty Images)】

 その日本とメダル、優勝を争うライバルを見ていくと、優勝に最も近い位置にいるのはやはり世界ランク1〜3位の樊振東、王楚欽、馬龍をはじめとした中国勢だろう。しかし、張本も「中国選手以外は実力が拮抗しているし、誰がベスト8やメダルになるかわからない」と語るなど、東京五輪以降、アジア、ヨーロッパはもちろん、他の国や地域でも若手、中堅が成長。多彩なタレントが揃っている。ここ最近は中国勢が他国の選手に敗れる試合も多くなっており、以前に比べて中国との実力差は縮まってきている。

 特にヨーロッパは前回大会で19歳にして準優勝に輝いたモーレゴード(スウェーデン)を筆頭に、東京五輪で張本に勝利したヨルジッチ(スロベニア)、水谷隼、石川佳純らを指導した邱建新の息子であるチウ・ダン(ドイツ)、この1年で急激に力をつけているルブラン兄弟(フランス)ら新世代が台頭。各国に個性豊かな実力者が揃い、中国、アジア勢と覇権を争っていた90年代のようなムードがあり、今大会のヨーロッパ勢は何かやってくれそうな雰囲気がある。

 アジア勢では東京五輪4位の林昀儒(チャイニーズタイペイ)が初の世界選手権シングルスメダルを狙う。また、韓国の林鐘勲、張禹珍もその馬力で中国を脅かす可能性はある。今大会の男子はハイレベルかつ混戦模様。日本の活躍は当然ながら、熾烈な上位争いにも注目だ。

企画・構成:浅野敬純/卓球王国

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