【5・12多摩川クラシコ対談】東慶悟×家長昭博「家長くんとはずっと一緒にいた」「東はルーキーらしからぬ雰囲気があった」

青山知雄
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2009年に大分でチームメイトだったふたり。ルーキー時代、東は家長に付いて回っていたという 【YOJI-GEN】

 FC東京と川崎フロンターレによる「第41回多摩川クラシコ」が5月12日に国立競技場で開催される。「明治安田生命Jリーグフライデーナイト」であり、「30周年記念スペシャルマッチ」でもある注目の一戦を控え、FC東京の東慶悟と川崎フロンターレの家長昭博の対談が実現。2009年に大分トリニータでチームメイトだった“師弟関係”だからこその濃密トーク。前編は大分時代の交流や将来のビジョンなどについて。ふたりと関係性の深い森重真人、長友佑都、登里享平らの名前も飛び出した。

面倒を見てたのか、見てもらっていたのか

――おふたりは2009年に大分トリニータでチームメートでした。それぞれどう呼び合っていたんですか?

家長 どう呼んでたっけ? ヒガシ?

 僕は昔から家長くんですね。

――じゃあ、今日はそんな雰囲気で進めさせてください。当時のプレーヤーとしての記憶はいかがですか?

家長 東は1年目から試合に出てたし、ルーキーらしからぬ雰囲気はあったかな。走れてテクニックがあるタイプで、そこは今とそんなに変わってないけど、今よりもう少し前のポジションでやってたな。今でもその名残でよく走ってよくボールに絡んでる。まあ、昔は自分のことを「(バルセロナの)ブスケッツ」みたいに言ってたけど(笑)

 いやいや、自分では言ってないですって!(笑)

家長 そうやったっけ(笑)。プレーヤーとしてはそんなに変わっていないけど、最近はちょっと役割が変わってきた感じがするね。

 確かに徐々にポジションが後ろに下がってきた感じはありますね。でも、プロ1年目の当時、家長くんにはピッチ内外で「プロサッカー選手とは」ということをすべて教えてもらったんですよ。

 ホント、僕にとっての“先生”です。あの頃は確か家長くんの奥さんが出産で里帰りしていて、練習が終わるたびに「メシ行きましょう!」って僕から声を掛けて、いつも焼き肉に連れて行ってもらってました。ずっと一緒にいて、めっちゃ面倒見てもらった記憶しかないです。

家長 まあ、そこは面倒を見てたのか、面倒を見てもらってたのか分からないけどね。半々くらいかな(笑)。

――東選手は今でもクラブ公式サイトのアンケートで「影響を受けたサッカー選手」に「家長昭博選手」と書かれています。

家長 そうなの?

 そうですよ! ピッチ内での考え方や意識から、私生活で乗っている車とか持っているもの、後輩の面倒見も含めて、すべてに憧れてましたから。あの年は僕がユースから昇格したシーズンで、家長くんは大ケガから復帰したばかりだったこともあって、いつも一緒にジムでバイクを漕いで、いろいろな話をしてましたよね。

家長 まあ、そんなに真面目な話はしてなかったと思うけどね。

 ちゃんと真面目な話もしつつ、「常に笑いは忘れるな!」って。

家長 「どんなときもユーモアが大事や!」みたいなね(笑)。

 当時から家長くんは本当にすごかったですよ。当時の大分には清武(弘嗣)くんもいて、サテライトリーグとか練習試合はふたりでどんどんパスを回して相手を翻弄してました。マジでフィジカルも強かったし。

 最近は結構周りを使いながらプレーしてますけど、もっとドリブルしていたイメージがありましたね。でも、落ち着きとかキープ力は昔から変わらない。で、クロスがめっちゃうまかった。僕にクロスの蹴り方をアドバイスしてくれたんですけど、覚えてないですよね?

家長 もうそんなこと覚えとらん(笑)。

 ですよね(笑)。一緒にサイドで練習してたときに、「お前、クロスを教えてやるよ、どこ狙ってるんや」って聞かれて、「あんま狙ってるところとかないです」って答えたら、「キーパーを目掛けて巻いたボールを蹴ったら、ちょうどいいくらいに曲がるんや」って。

家長 そんなこと言っとったんやな(笑)。でもまあ、思ったことしか言わんから、そのまま伝えてるんじゃないかな。
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著者プロフィール

2001年からJリーグやJクラブの各種オフィシャル案件で編集やライターを歴任。月刊誌『Jリーグサッカーキング』で編集長も務めた。関係各所に太いパイプを持ち、2017年から2023年までDAZNで各種コンテンツ制作に従事。現在はフリーランスとしてJリーグ、日本代表を継続取材している。

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