昨年、2種登録選手としてトップチームに参加していた高井幸大だが、今季トップチーム昇格を果たした中でいまだ出場機会を得ることができていない。

　それでも、先日開催されたAFCU-20アジアカップの準決勝では、好守を見せるなど自身の力を証明するパフォーマンスを披露し、新たな経験を経て再びチームに戻ってきた。

　ここからは再びフロンターレでのポジション争いが待つ。CBにけが人が多く出ている中、スタメンとしてピッチに立つチャンスを待ちながら、日々のトレーニングで研鑽を積んでいる。

ーーU-20アジアカップお疲れ様でした。今大会は準決勝敗退という形になりましたが、U-20ワールドカップの出場権は手にしました。改めて大会をどう振り返っていますか？

　初戦の中国戦でスタメンで起用してもらって、正直あまりいいパフォーマンスとは言えなくて、そこで大会の大事な試合に出られなくなったと言いますか、次の試合も出られませんでした。もう少し初戦のところで、もっと自分のプレーを出すことができていたらよかったかなというのが率直な感想です。チーム全体としてはW杯の出場権を得ることができのは良かったですけど、正直そんなにうまくいっているような感じでもなかった。引かれた相手に対してどう攻めるかというのが今後、大事なところだと思います。W杯に行けば相手は強くなりますし、むしろ前からプレスに来る相手だと思うので、そこで自分のビルドアップの能力はもっと出せるんじゃないかなと思っています。

ーー初戦の中国戦でなかなかうまくいかなかった要因はどう分析していますか？

　初戦ということもあり硬さが自分の中にあったかなと。緊張していたわけではなかったですが、日の丸を背負う難しさみたいなものがありました。ただ、そういうことを含めて本当に素晴らしい経験になったと思いますし、この経験はアジアカップに行っていなかったら得られなかったことだと思うので、これを次に生かせたらなと思います。

ーー同世代の選手と同じ時間を過ごすことでの刺激もあったと思います。

　周りには結構、Jリーグの試合に出ている選手もいますし、そういった選手に絶対に追いつかなければいけないなと思いました。やはり試合に出ている選手はすごく自信があるというか、出てない選手に比べて堂々としていて、Jリーグでやれている感覚が絶対にあると思います。まずは自分も自チームで試合に出ることだけを意識してやっていきたいなと思います。

ーーフロンターレにはU-12の頃から所属しています。アカデミー時代、どんなところが自分の中で成長したという感覚がありますか？

　もともとFWだったんですけど、CBになったことは間違いなく成長につながりました。あとは昔から技術的にものすごく上手かったわけではないですけど、フロンターレというチームはすごく基礎を大事にするチームでしたし、アカデミーの頃からそういうところをやり続けて少しは上手くなったかなと思います。

ーーCBへのコンバートについてはどんな思いだったんでしょうか？

　FWだったこともありすごく得点が取りたかったので最初は嫌でした（笑）。ただ、CBで出させてもらった最初の大会で結構いいプレーができたというか、その大会で優勝したかはちょっと覚えていないですけど、それぐらいいい結果が出て、自分でもやれることを示せた大会でした。そこでかなり相手を抑えられたことで楽しいなと思うようになりましたね。

ーー昨年は2種登録でトップチームの練習に参加。プロのレベルをどのように感じましたか？

　最初は正直、何もできなかったですね。まずはこのチームに慣れることというか、スピードなどはユースと違ってものすごく速かったですし、頭の回転も全然追いつきませんでした。そういう意味でも速さに慣れることを意識しながら練習していました。とにかく自分のプレーを出すというか、もちろん上手い選手ではないので、戦う気持ちだったり、球際のところだったりというのは示していこう、自分の特徴で勝負していこうと思っていましたし、その中で昨年の終わり頃に結構自分のプレーを確立し始めたというか、自分のプレーがより出せるようになった感覚があります。

ーーフロンターレの練習のレベルの高さは他ではできない経験だと思います。

　間違いないですね。本当に経験できないものだと思っていて、代表に行ったとしてもそこまで練習で苦労したことがないです。先ほども言いましたが、フロンターレでやるときは本当にスピードが速く、ボールを動かすだけでなく寄せのスピードも速い。DFからするとワンタッチ目から考えなければいけないですし、かなり狭いと思うところでもパスを通さなければいけなくて、そういうところでもすごくいいなと。その上で、結構バチバチやるので毎日すごくいいトレーニングができていると思います。