欧州2年目の斉藤光毅に何が起こっているのか 直近4試合で3ゴールを決められた理由

松尾祐希

フェイエノールト戦は不発に終わるも、直近4試合で3ゴールの活躍で好調を維持している 【Photo by ANP via Getty Images】

 斉藤光毅の勢いが止まらない。ロッテルダム・スパルタでプレーする21歳のアタッカーは、4月2日に行われた27節の首位・フェイエノールト戦こそ無得点に終わったものの、26節まで3試合連続でゴールを決めた。終盤戦に入って右肩上がりで調子を上げ、今季のゴール数を4に伸ばしている。

 得点のバリエーションも豊富で、多彩なパターンからネットを揺らしてきた。24節のエクセルシオール戦はタイミングよく相手の背後でボールを受け、GKとの1対1を制した。25節のフィテッセ戦はクロスボールにファーで合わせ、右足のボレーでゴールを奪取。そして、圧巻だったのが、26節のエメン戦だ。左サイドでボールを受けると、一気に加速して相手DF2人を置き去りにしてペナルティエリア内に侵入。最後は右足を振り抜き、個の力で得点に結び付けた。

 斉藤は欧州2年目にして飛躍のきっかけをつかみつつある。パリ五輪世代のエース候補と目されるアタッカーは、オランダの地でいかに覚醒を果たしているのだろうか?

序盤はサイドハーフへの適応とコンディション調整に苦戦

 2022年シーズンからスパルタに加入し、チームで与えられたポジションは4−2-3-1の左サイドハーフ。U-22代表でも4-3-3の左ウイングを任されている。左サイドは不慣れなポジションではないものの、斉藤は元々最前線や1.5列目を主戦場とする選手で、横浜FCでもそうだった。しかし、昨季プレーしていたロンメルや大岩剛監督が率いるU-22代表ではより低い位置でのプレーが増え、本来の良さが発揮できていたとは言い難い。本人も「悩んでいた」と話した通り、中央以外での起用は得意としていなかった。

 スパルタに移籍した今季も左サイドへの適応が求められていたが、開幕前からつまずいてしまう。まず、コンディションが整わないまま臨んだ昨年6月のAFC U23アジアカップで、良い部分を出せなかった。笑顔がトレードマークの斉藤が、曇りがちな表情で何度も首を捻るシーンも見られた。その時期にはオランダへの移籍が決まったのだが、開幕直後は出場機会を思うように得られずに苦しんでいた。

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著者プロフィール

1987年、福岡県生まれ。幼稚園から中学までサッカー部に所属。その後、高校サッカーの名門東福岡高校へ進学するも、高校時代は書道部に在籍する。大学時代はADとしてラジオ局のアルバイトに勤しむ。卒業後はサッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフ千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。

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