選手とファンが楽しく防災を学ぶ「そなえてバスケ杯」 島田チェアマンが語る思いと狙い
島田チェアマンが「そなえてバスケ杯」について語った 【スポーツナビ】
3月9日(木)より地震や風水害など日本各地で発生する災害に対しての防災意識向上を狙いとしたプログラム「ファン防災アクション ヤフー防災模試」が始まった。
同杯は「防災において大事なこと」と「バスケの楽しさ」を融合した「ディフェンス・アクション(防災バスケ、クラブが実施するディフェンス・アクションの模様をツイッターすると50点を獲得する)」と、自然災害の際に役立つ知識の習得を目的とした「ヤフー防災模試(Yahoo!JAPANがスマートフォン向けに提供するコンテンツ、ファンの受験結果の点数に応じて獲得ポイントが決まる)」の両方で、各クラブが獲得したポイントの合計で優勝を争う内容だ。
「そなえてバスケ supported by 日本郵便」はB.LEAGUEの社会的責任活動「B.LEAGUE Hope」のプロジェクトの一環で、クラブが持つ発信力や地域を巻き込む力を活用しながらファン・ブースターへの防災教育提供が主眼だ。
甚大な被害をもたらした2011年3月の「東日本大震災」等、過去の災害の記憶や教訓が風化されているという声もあるなか、プロスポーツリーグであるB.LEAGUEがこの「そなえてバスケ杯」の開催および「B.Hope」で社会に貢献することの意義を、同リーグの島田慎二チェアマンにうかがった。
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選手たちの参加が鍵
1月に水戸で行われたイベントには篠山(写真中央)や辻も参加 【(C)B.LEAGUE】
初めてですね。日本郵便さんからサポートをいただいている企画で、B.LEAGUEのクラブも郵便局も全国にあるということ。今年が関東大震災から100年目の節目であることや、東日本大震災からは12年が経ち、南海トラフによる大地震の危険性も高まっているなかで、広くあまねく、スピード感を持って、多くの人たちを巻き込みつつ、少しゲーム性を持たせて競っていただきながらやることがいいだろうということで、進めさせていただいています。
この企画はクラブよりも、やっぱり選手たちが積極的に加わってくれることが鍵だと思っています。選手たちにも防災模試を受検してもらい、その結果を発信するといった「そなえてバスケチャレンジ」という企画も実施しています。選手たちも実施することで、ファンの方に少しでも身近に感じて受験しようと思って頂けたら嬉しいです。
――1月の水戸でのオールスターゲームでも篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)、辻直人(広島ドラゴンフライズ)両選手も加わる形で、「そなえてバスケ supported by 日本郵便」が開催され地元のユースの子どもたちと「ディフェンスアクション」に取り組みました。「防災」と聞くと多少身構えてしまうかもしれませんが、ディフェンスアクションはバスケと遊びの動きを入れているので、敷居は低いのかなと感じます。
すごく面白いというか、とっつきやすいですよね。目的は防災意識とか減災意識とかを楽しく子どもたちに学んでもらうっていうことなので、そう意味では絶妙なプログラムかなと思っています。
――B.Hopeのような社会的責任活動を実施していくなかで、影響力のある選手たちに参加してもらえばより効果がありますね。
間違いありません。選手たちの提供するポジティブな影響力は、最大限活かしたいと思っていて、だからこそ各クラブのSDGsやSR活動に協賛をいただいています。影響力のある選手たちの力を借りたいと思っていただいている企業さんと、クラブ、選手たちがコラボレーションしているからこそ、そういった協賛がなりたっています。
――「速習編」「地震編」「台風・豪雨編」という項目がある「ヤフー防災模試」では震災でどう対処すべきかが試される設問がありますが、これがけっこう難しいです。
私もこの取材のあとにやってみるのですが、そんなに難しいのですね。それだけよくできているということなんですね。ディフェンスアクションにしても防災模試にしても、みなさんに知ってもらえるように発信していこうと思っています。
この「そなえてバスケ杯」は防災、減災につなげていくことを目的としています。いざというときに少しでも最低限の知識を持っていることで救われる命だったり、対処ができたほうがいい。東日本大震災からときがながれて記憶などの風化があって、災害に対する感度も弱まっています。われわれがバスケ界に身を置くなかで、パートナーのみなさまとチャレンジしていくことは意義深いものになっていくので、しっかりやりたいなと思っています。