【新戦力分析】浅野翔吾や松尾汐恩…新人の台頭に期待 MLB実績豊富なケラは“当たり助っ人”となるか?<セ・リーグ編>

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 広島はドラフトで4名の投手を獲得した。1位の斉藤優汰は甲子園未出場ながら、長身からキレのある直球と大きく曲がるカーブを投げ込む高卒右腕。投手としてのキャリアも浅く、将来性を見込んだ指名となった。東京ガスから入団した3位の益田武尚は最速153キロをマークする本格派右腕で、昨年の都市対抗では3試合に先発して初戦では完封勝利を挙げている。カットボールやフォークなどの変化球も巧みに操り、大瀬良大地に近い投球スタイルの投手だ。昨季は2ケタ勝利をマークしたのが森下暢仁のみだったため、即戦力としてローテーションに食い込むことが期待される。5位指名の河野佳は2021年の社会人野球で最多勝利投手賞、最優秀防御率賞、ベストナインを獲得した右腕。最速151キロのストレートが武器で、ボールの威力の高さが持ち味だ。6位の長谷部銀次は貴重なサウスポーとして、リリーフでの起用が予想される。

 野手では新外国人のデビッドソンが加入。2017年からメジャーで2年連続20本塁打を記録したほか、昨季は3Aで32本塁打をマークした。チームの主軸を務めたマクブルームが来日前年に3Aで32本塁打を放っており、同等の活躍を見込まれているだろう。ポジションは主に三塁を守った坂倉将吾が今季から捕手に専念するため、空いた三塁を守ることが想定される。デビッドソンの三塁守備にはやや不安を抱えるものの、これまで捕手が立っていた打席が外国人スラッガーに置き換わると考えれば、得点力の大幅な向上が望まれる。昨季の広島はリーグトップのチーム打率を記録しながらも長打力不足に悩まされていたが、坂倉のコンバートとデビッドソンの加入によって、強力打線に生まれ変わる可能性を秘めている。投打とも新戦力の出来がチームの順位に直結しそうだ。

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 昨季の中日はドラフトの本指名で7人を指名するなど、チームの若返りを図った。1位の仲地礼亜は多彩な変化球を精度良く操る右腕。ゲームメークに優れており、1年目からローテーション候補の1人に挙げられる。2位以降では4人の内野手を指名しており、その中でも村松開人は注目のルーキーだ。六大学では通算189打席でわずか9三振というバットコントロールが持ち味で、俊足巧打のリードオフマンとして将来的には大島洋平のような活躍が期待される。ドラフトで本指名を受けた69人中、最終指名となった福永裕基は両方向へ長打を放つ打力が売りのプレーヤーだ。前年度のドラフト最終指名選手であった上川畑大悟(日本ハム)は1年目から活躍を見せており、福永も早期からレギュラー級の活躍を期待したい。6位で入団した田中幹也は走塁と守備力に秀でた選手であり、ルーキーそれぞれ異なる強みを持っている。立浪和義監督は二塁のレギュラーを新人に任せる構想を明かしており、彼らは1年目から積極的に起用されることだろう。

 一方、助っ人外国人では3名を獲得している。目玉の新戦力はアキーノだ。メジャーでは3度の2ケタ本塁打をマークしており、昨季80試合の出場で12補殺を記録した強肩を併せ持つ。近年来日した助っ人の中では、元楽天のブラッシュに近いタイプの選手だろう。広い本拠地であるバンテリンドームを物ともしないパワーと外野守備力でチームの順位を押し上げたい。2人目の新外国人であるカリステは、メキシカンリーグで打率.344をマークしている。内外野を守れるユーティリティーとして、チームの穴を柔軟に埋める働きが求められる。そして、2018年から中日で3年間プレーしたアルモンテが復帰を果たした。NPBでは通算打率.316をマークしており、昨季はメキシカンリーグで27本塁打と健在ぶりを示している。投手陣が整っているだけに、チームの課題である長打力不足を解消できれば、上位進出も見えてくるはずだ。

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