【新戦力分析】浅野翔吾や松尾汐恩…新人の台頭に期待 MLB実績豊富なケラは“当たり助っ人”となるか?<セ・リーグ編>

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 12球団トップの防御率を記録した阪神には、2名の新助っ人右腕が加わった。B・ケラーはメジャー経験こそないものの、昨季3Aで113イニングを投げて奪三振率10.04をマーク。クロスステップするフォームが特徴で、戸郷翔征(巨人)のようなタイプの投手だ。ビーズリーは、伸びのあるストレートとスライダーで空振りを奪うパワーピッチャー。メジャーでは通算18試合に登板して奪三振率12.04を記録している。これは2019年に防御率1.38を記録したジョンソンの来日前の成績に似通っており、救援陣の柱として大きな期待を受ける存在だろう。

 対して野手陣は、岡田彰布監督が大山悠輔と佐藤輝明をそれぞれ一塁と三塁に固定するプランを掲げている。外野の両翼のポジションが空くこととなるが、そこで期待されるのが新戦力の3名だ。レギュラーの筆頭候補にはノイジーが挙げられる。昨季はメジャーで結果を残せなかったものの、3Aで通算打率.299をマークしている中距離打者タイプだ。主に三塁と二塁を守っているが、報道によると左翼での起用が濃厚のようである。もう1人の助っ人であるミエセスは、長打力が売りのパワーヒッター。マイナー通算140本塁打を放っており、昨季は3AでOPS.923を記録した。そして、ドラフト1位の森下翔太も楽しみな存在である。逆方向にも一発を放てるパワーと高い身体能力が特徴だ。野手陣はコンバートと新戦力の加入により、得点力の向上が見込まれる。昨季は得点力不足に泣くことも多かったが、今季は優勝争いに絡んでいける布陣を整えつつある。将来的には森下がライトのレギュラーの筆頭で、順調な成長を遂げれば、外国人打者に依存しなくても強力な打線を構築できそうだ。

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 巨人の注目は何といってもドラフト1位の浅野翔吾だろう。昨夏の甲子園では3本塁打を記録するなど、持ち前のバッティング技術とスター性が高く評価されている。山田哲人(ヤクルト)が高卒5年目にトリプルスリーを達成したように、数年後には浅野がチームを引っ張る存在として大きな期待を受ける。同じくドラフトでは、2位の萩尾匡也が東京六大学リーグで三冠王に輝いており、即戦力候補として期待がかかる。また5位の船迫大雅は最速151キロの直球が魅力のサイド右腕。昨季の巨人は救援防御率がリーグワーストに沈んでおり、オールドルーキーにはフル回転の活躍が求められるだろう。

 そして、外国人は昨季プレーした投手がそろって退団し、新助っ人を迎えている。リリーフでは最速160キロを誇るロペスが加入した。スピードボールに加えて鋭く落ちる縦のスライダーを武器としており、2019年にはメジャーで70試合に登板した実績を持つ。昨季はビエイラの不振が痛かっただけに、守護神の大勢につなぐセットアッパーとして頼もしい存在になるだろう。ビーディはしなりのある腕の振りから150キロ台中盤の速球を投げ込む右腕で、持ち球や球速帯は元巨人のマイコラスと似通っている。2019年にはメジャーで22試合に先発した実績があり、菅野智之と戸郷翔征に並ぶローテーションの柱として活躍を期待される。左腕のメンデスは昨季のメキシカンリーグで防御率トップを記録し、最優秀投手のタイトルを獲得した。ただ、15試合の先発で7勝0敗をマークした一方、平均投球回数は5イニングに届いておらず、スタミナには不安を残す。昨季まで在籍したメルセデスのように試合をつくるピッチングで救援陣にバトンをつなぐような役割が見込まれるだろう。

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