箱根駅伝・注目のルーキー10選 駒澤大の佐藤圭汰は往路起用が有力か

酒井政人
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最注目ルーキーの駒澤大・佐藤圭汰。出雲駅伝では2区の区間賞を獲得。全日本大学駅伝では2区で創価大の葛西潤(4年)と熾烈なトップ争いを繰り広げ、区間2位。いずれも区間記録を更新した 【写真は共同】

 第99回(2023年)箱根駅伝まであと2日。佐藤圭汰(駒澤大)、青木瑠郁(國學院大)、山口智規(早稲田大)をはじめとする1年生が、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝でデビューを飾り、鮮烈な走りを見せた。スポーツライターの酒井政人氏が、今季の箱根注目のルーキーを厳選して紹介する。

全日本3連覇に貢献した佐藤圭汰

 今大会も楽しみな1年生が箱根路を駆けようとしている。そのなかで最も注目を集めているのが、高校時代に輝かしい実績を残し、進学した駒澤大でも期待に違わぬ活躍を見せる佐藤圭汰だ。洛南高3年時は1500m(3分37秒18)、3000m(7分50秒81)、5000m(13分31秒19)で高校記録を塗り替えると、全国高校駅伝では3区を快走。日本人歴代最高となる23分10秒を叩きだして、チームの高校記録更新に貢献した。

 今季は目標にしていたオレゴン世界選手権には届かなかったものの、5月のゴールデンゲームズ5000mでU20日本記録となる13分22秒91をマーク。7月にはU20世界選手権を経験した。夏合宿では慣れない距離走に苦労したが、駅伝シーズンに入るとスーパールーキーの走りが火を吹いた。
 
 10月の出雲駅伝はスピード区間の2区に登場。先頭と9秒差の2位でスタートすると、区間賞の快走でトップ中継を果たし、追い風の影響もあって区間記録を20秒も更新した(15分27秒)。11月の全日本大学駅伝は各校のエース級が集結する2区で活躍。創価大の葛西潤(4年)と競り合いながらレースを進め、青山学院大を逆転して一気に突き放す。トップ争いと区間賞争いは葛西に1秒負けたが、区間新記録の区間2位(31分13秒)で、駒澤大の全日本3連覇に貢献。両駅伝で同区間となった洛南高の先輩・三浦龍司(順天堂大)に出雲は4秒、全日本は14秒も上回った。

 学生時代に「世界陸上とオリンピックに出場したい」という高い目標を掲げている佐藤。20㎞以上のレースは未経験で、距離への不安はある。スピードが武器である佐藤の適性を考えると、箱根駅伝は3区が有力か。チームに悲願の3冠をもたらせて、世界にチャレンジする。

 駒澤大は全日本でもうひとりのルーキーが快走した。

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著者プロフィール

1977年愛知県生まれ。東農大1年時に箱根駅伝10区に出場。陸上競技・ランニングを中心に取材。現在は、『月刊陸上競技』やビジネス媒体など様々なメディアで執筆中。『箱根駅伝ノート』(ベストセラーズ)など著書多数。

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