グランプリシリーズで示した選手層の厚さ 自国開催の世界選手権代表選考は激戦必至

沢田聡子
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22年に四大陸選手権とグランプリファイナルを優勝した三原舞依は上昇一途だ 【写真:アフロ】

 2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けた4年間の始まりとなる今季は、グランプリファイナルを終え前半が終了した。後半に行われるISU (国際スケート連盟)チャンピオンシップの代表選考会を兼ねる全日本選手権が、大阪の東和薬品RACTABドームで12月22日から開催される。

 女子については北京五輪までロシア勢が圧倒的な強さを誇っていたため、ロシア人選手がウクライナ侵攻により国際大会から除外されている影響は、各種目の中でも特に大きいといえる。しかしそれを考慮に入れてもなお、今季前半の日本女子は強かった。日本勢がグランプリシリーズ全6戦のすべてで表彰台に乗り、4戦で優勝したのだ。また、トップ6が進出するファイナルにも三原舞依・坂本花織・渡辺倫果の3人が出場し、三原が優勝。日本勢が強さと層の厚さを世界に示した形だ。全日本ではさいたまスーパーアリーナで開催される世界選手権代表3枠を巡るハイレベルな戦いが予想される。

三原舞依の強さ、世界女王・坂本花織の苦闘

 今季特筆すべきは、三原舞依の強さだろう。2017年、22年と四大陸選手権を二度制した実力を持つ三原だが、意外にも昨季までグランプリシリーズでの優勝はなかった。しかし今季は、第4戦・イギリス大会で自身初となる優勝を果たすと、第6戦・フィンランド大会でも金メダルを獲得。2戦連勝で初進出を決めたファイナルでも完成度の高い演技をみせ、頂点に立った。

 三原は北京五輪代表選考がかかった昨季の全日本選手権・フリーで、いつもの安定感からは想像できないようなミスをして4位に終わり、代表から漏れている。失意の大きさは想像に難くなかったが、翌年1月に行われた四大陸選手権に気力を振り絞って臨み、優勝。シーズンオフにはカナダの名門・クリケットクラブに短期留学しており、スケーティングやジャンプを磨いてきた。
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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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