「ハコ」はコンパクトでもインパクトは「ビッグ」  群馬クレインサンダーズが新アリーナで「非日常感」を演出

永塚和志

音楽ライブのような音響空間と劇場のような照明を設置

身の丈にあった、とは言いつつも、実質は随分と攻めの姿勢がうかがえる。 【提供:群馬クレインサンダーズ】

 12月13日、B1の群馬クレインサンダーズが来春完成予定の新アリーナ「オープンハウス・アリーナ・オオタ(太田市総合体育館、通称・オプアリ)」の概要を発表した。

 同アリーナについて収容人数が約5000人と少なめであることにやや驚いたが、売りはそこではなく、プロスポーツ興行ならではの「非日常感」という形で訪れるファンにより高い満足度を提供する「質」にあるようだ。

 実際、概要発表会見でも「スモールクオリティ・アリーナプラン」という惹句を用いつつ、「コンパクト空間に実現する世界トップクラスの観戦環境を高密度で実現」とし、その部分を強調した。

 クレインサンダーズのオーナー企業である株式会社オープンハウスグループで常務執行役員を務め、同チームのGMでもある吉田真太郎氏は「アリーナに一歩入った瞬間の高揚感を作りたい」とチームならびにアリーナプロジェクトに関わる人たちの総意を、意気込みとして話した。

 新アリーナでは、その「非日常感」と「高揚感」を日本最大級で可動式のセンタービジョン(4つのメイン画面やリボンビジョンも合わせて合計14面で構成。総面積は6100インチ)や、コートが浮かび上がる劇場型の照明、そして世界最高峰の音響システムなどで演出する。

 オープンハウスグループ事業開発部長で同アリーナプロジェクトのメンバーの横瀬寛隆氏は、プロジェクトが立ち上がった当初からメンバー内では「NBAクラスは目指したいね」という話しはあったというが、一方で、どのようなものを取り入れることでそれを実現していくかについては、議論を重ねながら詰めていったと語った。

 横瀬氏によれば、プロジェクトの担当者らでNBAの最新のアリーナなどへも視察に行く中で、「音」や「光」といった要素がファンに何度も訪れてもらうための重要な要素だと認識を強めていったという。

「音と光は五感で楽しむという要素で、入れるものはやはり最高峰のものを入れようというのは、議論をしながら変わっていったところもありました」(横瀬氏)

 音響面では、世界的に評価の高いフランスのエルアコースティックス社のシステムを、国内のバスケットボールアリーナとしては初めて導入するという。会見で発表された概要によれば、天井に50機のスピーカーと24機のサブウーハーを配置し、どの席にいても臨場感溢れるサウンドが体感できるとのことだ。

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著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

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