連載小説:I’m BLUE -蒼きクレド-

[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第29話「新たな勝利の方程式」

木崎伸也 協力:F
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舞台は2038年。11月開催のインド・ワールドカップに向けて、日本代表は監督と選手たちの間に溝が生じていた。
日本代表の最大の弱点とは何か?
新世代と旧世代が力を合わせ、衝突の中から真の「ジパングウェイ」を見いだす。
木崎伸也によるサッカー日本代表のフィクション小説。イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。
 ワールドカップ(W杯)を2カ月後に控えた中東遠征において、日本は親善試合の対戦相手にハンガリーを選んだ。
 守備を固める相手の攻略をシミュレーションするためである。
 スタジアムへ出発する直前のミーティングで、秋山大監督は選手たちに訴えた。
「W杯で勝ち上がっていったら、必ず引いて守るチームと対戦する。もしくはリードを奪われ、相手が途中からブロックを組んでくるケースもあるだろう。自由なポジションチェンジが、引いた相手にも通用することを証明するぞ!」
 秋山はプロジェクターのリモコンを操作して図を示した。

フリーマン:小高有芯
GK:クルーガー龍
DF:玉城迅、高木陽介、アチェンポン歩夢
MF:水島海  グーチャン  マルシオ
MF:  渋谷寛人
MF:    松森玲王
FW:  加藤慈英

 前々日の練習で玉城が考案した攻撃陣がξ(クサイ)型に並ぶ新たなシステムだ。攻撃時に互いに斜めに立つのがミソである。そして有芯がフリーマンで自由に動く。
 秋山がリモコンを押すと「右ローテーション」という文字が現れた。有芯以外の選手が時計回りに動き、立ち位置がローテーションする。

フリーマン:小高有芯
GK:クルーガー龍
DF:水島海、玉城迅、高木陽介
MF:加藤慈英  マルシオ  アチェンポン歩夢
MF:  グーチャン
MF:    渋谷寛人
FW:  松森玲王

 秋山は意図を説明した。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載。

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