連載小説:I’m BLUE -蒼きクレド-

[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第27話「世界をワクワクさせろ」

木崎伸也 協力:F
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舞台は2038年。11月開催のインド・ワールドカップに向けて、日本代表は監督と選手たちの間に溝が生じていた。
日本代表の最大の弱点とは何か?
新世代と旧世代が力を合わせ、衝突の中から真の「ジパングウェイ」を見いだす。
木崎伸也によるサッカー日本代表のフィクション小説。イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。
 ベルリン、オリンピアシュタディオン――。
 上原丈一がそそり立たった石柱の間をくぐると、大音量の電子音が聴こえてきた。
 客層は10代がメインで、ゲームキャラクターのコスプレ姿も目立つ。いたるところでネオンが輝き、まるで学園祭とクラブをミックスしたような雰囲気だ。
 普段サッカーが行われているスタジアムが、eスポーツになるとこうも変わるものか――。丈一の緊張は未知の空間によってさらに高まり、背中に汗がにじんだ。

 国立競技場で行われた日本対ブラジルの試合後、丈一はドイツへ飛んだ。eスポーツ・ワールドカップ(W杯)の出場者リストに小高有芯の名前を見つけたからである。
 今、日本代表はクレドによって「戦術」と「行動規範」が融合し、かつてないブルーに染まろうとしている。しかし、それは日本オリジナルのブルーではあるものの、まだ世界最強のブルーにはなっていない。最強になるには、日本人初のチャンピオンリーグ優勝を成し遂げた有芯が不可欠だ。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載。

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