連載:WBCに挑む侍ジャパンのベストオーダーは?

ファンが選ぶ! WBC・侍ジャパンの二塁手は? “常連”の山田哲人から牧秀悟が定位置を奪えるか?

前田恵
“激戦区”といわれる、侍ジャパンの二塁手。11月の強化試合は日本ハム戦で中野拓夢(阪神)、巨人戦で山田哲人(ヤクルト)、オーストラリア戦では牧秀悟(DeNA)と山田がそれぞれ先発出場した。一方で牧は一塁、中野は遊撃でも先発しており、いくつかのパターンが試された形だ。この強化試合に先駆けて行われたアンケートの結果は、やはり代表常連vs新戦力の争いとなった。

ファンが選ぶ! WBCベストメンバーポジション別ランキング 二塁手編

1位:山田 哲人(ヤクルト)  得票率 38.73%
2位:牧 秀悟(DeNA)     得票率 24.87%
3位:菊池 涼介(広島)    得票率 13.08%
4位:吉川 尚輝(巨人)    得票率 7.55%
5位:浅村 栄斗(楽天)    得票率 7.1%
6位:外崎 修汰(西武)    得票率 1.44%
7位:牧原 大成(ソフトバンク)得票率 1.34%
8位:加藤 豪将(元メッツ3A) 得票率 1.34%
9位:三森 大貴(ソフトバンク)得票率 1%
10位:糸原 健斗(阪神)    得票率 0.63%

山田哲人、牧秀悟の一騎打ちの様相か

今季は不調に苦しんだ山田哲人だが、ファンからの支持は絶大だ 【写真は共同】

 そんな中、得票率38.73%で堂々の1位を獲得したのは、常連組の山田哲人である。NPB史上唯一のトリプルスリー複数回(3回)達成者であり、WBC、プレミア12、東京五輪など国際大会も経験豊富。今季は期待された数字は出せなかったものの、いざというときに頼れる選手だとファンも知っている。「シーズンは打っていなかったけど、ジャパンには必要」「国際試合漢」「結局世界の山田」(以下、「カギカッコ」内はファンのコメント)と熱い言葉に後押しされ、まだまだ侍ジャパンの二塁の座は揺らがない。

 一方、新戦力筆頭は、得票率24.87%で2位に躍り出た牧秀悟だ。本投票では一塁手部門も4位。中央大学時代、日米大学野球選手権に日本代表の一員として出場したことはあるが、侍ジャパン入りは先ごろの強化試合が初めてだった。牧を推すコメントも、「夢のある選手」「若く勢いがある」「対応力、適応力、修正能力が半端ない。未来の山田哲人を育てるため」と、来たる侍ジャパンの中心選手として期待する。

守備の名手の存在も外せない

これまで数々のスーパープレーで侍を救ってきた「忍者」こと菊池涼介 【写真は共同】

 さて3位には、得票率13.08%で菊池涼介(広島)。WBC、プレミア12、東京五輪と国際大会を3度経験した守備の名手である。その広い守備範囲を表した異名「忍者」のほか、「この人だけは、代えが効かない。小技だけでなく意外性のある打力も魅力。背中でも声でもチームを引っ張れる男」と、精神的支柱としての役割を見込んでの1票もあった。

 続く4位は、得票率7.55%の吉川尚輝(巨人)。今季はプロ6年目にして自己最多の132試合に出場、打率.277の成績を残した。こちらも広い守備範囲で、安打性の当たりをアウトにするたび、“尚輝たまらん”のフレーズがネット界隈に躍った。「守備がとても上手く、守備範囲も広い。高いレベルでショートも守れる。足も使えるし打撃も良い。今回の侍ジャパンのメンバーに入っていないことが疑問」と訴えるファンも。

 次いで、一塁部門3位だった浅村栄斗(東北楽天)が得票率7.1%で5位にランクインした。「ソツない守備に、チャンスに強いバッティング」「日本一の広角打法」「打撃がすごいのと、意外にユーティリティーなところ」と、打撃優先ながらも“ユーティリティー性”を買ったコメントが目立った。

 ちなみに6位以下でユーティリティー性を高く評価されたのが、得票率1.34%の牧原大成(福岡ソフトバンク)。「なんでもできる万能な選手やから」とのコメントにもある通り、走攻守揃った好選手だ。牧原と同率の加藤豪将(元メッツ3A)は、10月のドラフトで北海道日本ハムに指名されたばかり。こちらも内外野を守れるユーティリティー性と「アメリカ体験」が評価され、先取り(?)選出となった。

<企画構成:スリーライト>
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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