連載:WBCに挑む侍ジャパンのベストオーダーは?

ファンが選ぶ! WBC・侍ジャパンの一塁手は? “本職”と “ユーティリティー”の選手で大激戦に

前田恵
 11月上旬に行われた侍ジャパン強化試合において唯一、所属チームでそのポジションを守る選手が選出されなかったのが一塁手だった。「いろいろなことを試す」と宣言していた栗山監督は、横浜DeNAで二塁を守る牧秀悟と、巨人で三塁を守る岡本和真を一塁に据えた。テスト的な起用ではあったが、本番での2人の雄姿を想像したファンも多かったのではないだろうか。

ファンが選ぶ! WBCベストメンバーポジション別ランキング 一塁手編

1位:山川 穂高(西武)   得票率 37.99%
2位:中田 翔(巨人)    得票率 11.97%
3位:浅村 栄斗(楽天)   得票率 11.55%
4位:牧 秀悟(DeNA)    得票率 7.91%
5位:岡本 和真(巨人)   得票率 7.26%
6位:佐野 恵太(DeNA)   得票率 6.89%
7位:大山 悠輔(阪神)   得票率 5.34%
8位:坂倉 将吾(広島)   得票率 1.99%
9位:中川 圭太(オリックス)得票率 1.89%
10位:清宮 幸太郎(日本ハム)得票率 1.81%

1位、2位は本職の2人がランクイン

侍ジャパン強化試合のメンバーに名前がなかった山川穂高。村上宗隆とのコンビを望む声が多かった 【写真は共同】

 とはいえ、今回のファン投票で1位に輝いたのは、やはり“本職”の山川穂高(埼玉西武)だった。得票率37.99%は、2位以下を大きく引き離してのトップである。

「海外の投手に力負けしないはず」「村上と山川の4、5番は見てみたい」(以下、「カギカッコ」内はファンのコメント)と、長打力を重視した意見を筆頭に、「打力兼ムードメーカー」と、堅くなりがちなベンチの盛り上げ役としても実力を見込まれた。中には「ピアノが上手だから」という意見もあったが、登場曲を自ら演奏後、打席に入るのも面白いかもしれない。

 2位は得票率11.97%で、山川同様 “本職”の中田翔(巨人)。過去WBCに二度、WBSプレミア12に一度出場した国際経験も、「大舞台に強く、世界に負けなそう」と、選出の大きな決め手になった。また中田の武器は、一塁手としての守備力。「パワーはもちろん、守備も安定感がある。今年は打率も上がったので期待したい」「守備力とチャンスに強いところ」など、守備におけるどっしり感、安心感も高く評価されている。

3~5位は別ポジションの選手がランクイン

浅村栄斗(写真)、牧秀悟、岡本和真は“本職”のポジションでも上位にランクインする選手たちだ 【写真は共同】

 3位の浅村栄斗(東北楽天=得票率11.55%)には、19年の楽天移籍後はほぼ二塁手専任ながら、「JAPAN限定」で一塁手として投票するファンが続出。「選んだ選手はユーティリティー。サードに村上、セカンドに山田、ショートに坂本や紅林が候補に挙がるなか、走攻守揃った内野手でファーストができるのは彼だけ。打撃ランキングすべての部門で常にトップ10入りしている」とは、他ポジションとの兼ね合いを詳しく説明してくれたコメントだ。浅村もプレミア12、東京五輪で日本代表を経験。「代表経験も豊富でセカンドも守れることに加え、状況に応じて臨機応変なバッティングができるから」と、その対応力にも期待が大きい。

 4位の牧秀悟(横浜DeNA=得票率7.91%)は二塁、5位の岡本和真(巨人=得票率7.26%)も三塁を守る他選手と同時選出するための一塁手投票と考えていいだろう。「安定して打てるイメージがあるから」と認められた牧は、侍ジャパン強化試合のベンチでも、すでに10年選手の貫禄だった(実際はプロ2年目)。岡本は「長打」「勝負強さ」「守備力」が3大推しポイントだ。

 最後に6位以下から、ファンの切実な想いがこもったコメントを。7位の大山悠輔(阪神=得票率5.34%)に、「通常の試合のとき固定されず、たくさんの場所を守備させられていたけど、絶対大山が一番うまいと言い切れる!!」と1票――岡田彰布新監督を迎え、来季はどんな起用がなされるのか、ファンは今からやきもきしているのだなあ……。

<企画構成:スリーライト>
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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