[連載小説]I’m BLUE -蒼きクレド- 第16話「丈一、動く」
日本代表の最大の弱点とは何か?
新世代と旧世代が力を合わせ、衝突の中から真の「ジパングウェイ」を見いだす。
木崎伸也によるサッカー日本代表のフィクション小説。イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。
※リンク先は外部サイトの場合があります
上原丈一はソファから起き上がると、スマートフォンのアラームを止めた。
午前3時。いつもならほぼ間違いなく寝ている時間である。
だが昨日、突然フランク・ノイマンから「日本対チリを見て、何か発見があったら教えてほしい」というメッセージが届いたのだ。時差があるため深夜のキックオフとなるが、ワールドカップ(W杯)をともに戦った恩師からのリクエストならば聞かないわけにはいかない。
寝室にいる生後10カ月の娘と妻を起こさないように、丈一はあらかじめリビングのソファで寝ていた。忍び足でリビングを横断して電気をつける。窓の外には、新月のわずかな光に照らされたサンノゼの山並みが広がっていた。
【(C)ツジトモ】
「ノイマンさんの謎かけ。つきあってやっか」
4年前、丈一はW杯で日本初のベスト8を成し遂げたあと、松森虎や秋山大と同じく現役引退を発表した。半月板の手術を受けた左膝が限界だったのである。
「第二の人生」として選んだのは指導者の道だった。今度は指導者としてW杯の頂点を狙う。日本代表のキャプテンを務めてきた丈一にとって自然な流れだった。
ただし、選手時代のプレースタイルからしても戦術家というタイプではない。選手のときにそうだったように、監督としても型にはまりたくない。目指すは世界のどこにもいない新しいタイプの指揮官だ。
続きはスポーツナビ公式アプリ(無料)で読むことができます。
- アプリケーションはiPhoneとiPod touch、またはAndroidでご利用いただけます。
- Apple、Appleのロゴ、App Store、iPodのロゴ、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
- iPhone、iPod touchはApple Inc.の商標です。
- iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
- Android、Androidロゴ、Google Play、Google Playロゴは、Google Inc.の商標または登録商標です。
- 前へ
- 1
- 2
- 次へ
1/2ページ