水谷隼、守備的から攻撃的スタイルに変えたワケ 移り変わる卓球の戦術

水谷 隼
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リオ五輪でひとつの完成型となった、水谷の卓球スタイル 【写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ】

 9月30日より中国・成都で行われている世界選手権団体戦。大会に合わせてスポーツナビでは、過去の団体戦で銀メダル1つ、銅メダル6つを獲得した水谷隼の書籍「卓球王水谷隼 終わりなき戦略 勝つための根拠と負ける理由」の一部を掲載します。

時代によって「戦術」「技術」「練習」は変化していく

 卓球では選手それぞれのプレースタイルがある。それを「戦型」と言うこともある。卓球ほどプレースタイルが多種多様なスポーツはないと思う。サッカーでは自分に与えられるポジションがあり、バドミントンでも、テニスでも、選手によって極端にプレースタイルが違うようには見えない。卓球に近いテニスでも、サービスを出したら、3球目攻撃のようにすぐにボレーする人は多くはいないだろう。グラウンドストロークで打ちながら、時折ボレーをする程度だろう。

 ところが、卓球では攻撃選手もいれば、少なくなったとは言え、カットマンのような守備的な選手もいて、中には世界で活躍するカットマンもいる。前陣で速攻を得意とする選手もいれば、中陣からのラリー戦を得意とする選手もいる。しかも、そのプレースタイルは選手の身体的特徴や、性格、そして用具などによって多様な面を見せるのが卓球という競技だ。この多様なプレースタイルが卓球の奥深さであり、醍だいごみ醐味でもある。

 特に、勝負どころでのプレーというのは、その人の特徴や性格が出る。卓球ほど競せり合いに強い人、競り合いでビビる人がわかりやすく出るスポーツはない。それは卓球が繊細なスポーツであり、速いラリーの応酬があるので、ちょっとした心理面の動揺が直接プレーに影響を与えるからだ。

 自分自身のことを振り返ってみよう。
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