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張本を中心にメダルを狙う【写真：森田直樹/アフロスポーツ】

　今大会はこれまでの世界選手権団体戦と異なり、各選手に世界ランキングポイントが与えられず、加えて、中国への入国規制が厳しく、渡航費が高額であることなどから主力が欠場するチームが続出。また、パリ五輪へ向けて世代交代が進むチームも多く、上位勢の顔ぶれがこれまでとガラッと変わる可能性もある。

　その中でトップは世界選手権団体戦9連覇中の中国。現時点でのベストメンバーで、地元開催の世界選手権団体戦で10連覇に挑む。現・世界選手権シングルス王者の樊振東、リオ五輪、東京五輪と2大会連続でシングルス金メダリストに輝いた馬龍の両輪に、3番手以降も世界選手権シングルス2大会連続3位の梁靖崑など実力者揃い。他チームから頭ひとつ抜けた実力と言える。

　2位のスウェーデンは低迷期を抜け出し、前回の2018年大会で17年ぶりにメダルを獲得（銅メダル）。2018年大会の主力メンバーに加え、昨年の世界選手権シングルスで準優勝と大ブレイクを果たしたモーレゴードなど若手も力をつけており、充実の戦力で2000年大会以来の決勝進出、優勝を狙う。

　　3位にはドイツと韓国をあげたが、日本を含む5位までは実力が拮抗しており、どのチームにもメダルの可能性がある。東京五輪団体戦で銀メダルを獲得したドイツは、五輪代表のオフチャロフ、ボル、フランチスカが揃って今大会を欠場。8月のヨーロッパ選手権シングルスで初優勝を果たしたチウ・ダンら中堅と若手で今大会に挑むこととなったが、それでもメダルを狙えるだけの実力はある。

　日本は長くチームを牽引した水谷隼が現役を引退し、さらに大会直前に東京五輪代表の丹羽孝希がインフルエンザと診断されて大会を欠場する事態に。これによって張本智和以外の3人は世界選手権初出場という布陣で今大会を戦う。経験不足は否めないが、その反面、爆発力が今大会の日本代表の魅力。初出場のメンバーへの負担を軽くするためにも、張本には確実に勝利するエースとしての働きが求められる。

　また、東京五輪団体戦で銅メダルをかけて日本と対戦した韓国も、選考会で次々と若手が代表権を獲得してフレッシュな陣容に。エースの張禹珍以外は世界選手権団体戦初出場となるが、2019年世界選手権シングルス3位の安宰賢をはじめ、各選手のポテンシャルは高く、勢いに乗ると手がつけられない。

　7位以下はカルデラノ擁するブラジル、ピッチフォード擁するイングランドなど突出したエースがいるが、2番手以降は力が落ちる、もしくはメンバーは揃っているがやや小粒な印象で、表彰台となると厳しいか。チャイニーズタイペイも世界ランキング7位の林昀儒が大会直前に欠場が発表され、41歳のベテラン・荘智淵頼みの状況となった。荘智淵以外は若手のメンバー構成となり、大舞台での経験は少なく、やや苦しい戦いとなりそうだ。

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