バドミントン・21歳の奈良岡が世界3位に善戦 「狙っていきたい」パリ五輪までの距離
21歳の奈良岡は、パリ五輪出場を狙う日本の次代のエース候補だ 【筆者撮影】
バドミントンの国際大会「ダイハツヨネックスジャパンオープン」男子シングルスの2回戦、奈良岡功大(IMG)は、アンダース・アントンセン(デンマーク)にファイナルゲーム19-21で敗れた。主審が試合の終了を告げる。21歳の若者は、ラケットを杖のようにつき、コーチ席を見ていた。世界3位に勝利目前まで迫ったが、最後に4連続失点で逆転負け。あと少し――その差が小さいようで大きいことは知っている。だからこそ、超えるチャンスは逃したくなかった。試合後のあいさつに向かうまで、奈良岡はしばらく動けなかった。
攻守両面で見せた技術の高さ
しかし、攻守両面で技術を生かして互角の展開に持ち込んだゲーム終盤、19オールからクロスに打った強打はアウト。続けて速い球の打ち合いでカウンターを受けて21点目を奪われた。格上相手に守っていたら後手に回る。そう考えた奈良岡の攻撃的な姿勢はおそらく間違っていなかった。ただ、大きなプレッシャーと手足の動きが遅れがちになる疲労の中で、攻めて出てなおかつ、本来の持ち味である球のクオリティーを出さなければ、ならなかった。
世界3位を相手に善戦した手応えよりも、勝利を逃した悔しさが大きい。それは、取材エリアの第一声でハッキリしていた。
「全然、行けると思っていましたけど、何ですかね。経験なんですかね。経験(という結論)で済ませてはいけないと思いますけど。やっぱり、あそこで勝ち切りたいという思いは、すごくありました」