「長友佑都×堀米雄斗」特別対談! Wゆうとが語り合う「日の丸」「国立」の魅力と重み

大島和人

長友佑都(左)と堀米雄斗(右)のトップアスリート対談が実現 【撮影:石田 祥平】

 長友佑都(FC東京)は23歳だった南アフリカ大会を皮切りに、ワールドカップへ3度出場しているサッカー日本代表のサイドバック。まもなく36歳となる今もチームにとって不可欠な存在で、11月には「4度目」のカタール大会を控えている。

 堀米雄斗は昨夏の東京オリンピックで、スケートボード男子「ストリート」の金メダルを獲得し、その名を轟(とどろ)かせた。普段はアメリカに拠点を置き世界で活躍している堀米選手だが、9月3日に味の素スタジアムで開催された「FC東京vs.横浜F・マリノス」を観戦。試合前にはトークイベント、デモンストレーションも行った。

 試合後には日本代表戦の通算出場が136試合という35歳と、23歳の金メダリストが対談。年齢、競技は違えど「一流同士」のリスペクトと共感がこもったやりとりだった。

サッカー現地観戦で興奮、「めっちゃファンになりました」

試合前には「ゆうと同士」の花束贈呈が実現 【撮影:石田 祥平】

――堀米選手は長友選手の試合をご覧になっていかがでしたか?

堀米 僕はあまり日本のサッカーを見たことがなかったんですが、生で見るのとテレビで見るのとは全然違うなと思ったし、今回ピッチを上から俯瞰(ふかん)で見られたのが楽しくて、めっちゃファンになりました。だいぶ盛り上がっていましたね。最初は(FC東京が2点を先制されて)キツいかなって思ったんですけど、あとから逆転できそうな感じで、テンションが上がりました。

――長友選手は今日の試合を振り返っていかがですか?

長友 最初に2点を決められたので難しい試合になりましたけど、最後までチームとして諦めない気持ちを出せました。勝てなかったですけど、引き分けに持っていけて、試合内容としては悪くなかったと思います。

――花束贈呈の際には、どういう話をしていたのですか?

堀米 少し自己紹介をさせてもらって「お互いゆうとです」と。

「スケートボード自体がカッコいい」

3万人の観衆を前にデモンストレーションを見せる堀米 【撮影:石田 祥平】

――堀米選手の印象はいかがですか?

長友 いや、かっこいいなと思って!オリンピックも見ていたんですけど、スケートボードっていうスポーツ自体が本当にカッコいいじゃないですか。憧れますよね。

堀米 そう言っていただいて嬉しいです。

長友 けがとかも本当怖いし、あの状況、プレッシャーの中で、自分のパフォーマンスができるのは尊敬できます。

堀米 長友選手からそんなこと言ってもらって光栄ですし、嬉しいです。本当に昔から、テレビではめっちゃ見ていたし、母もすごいファンで……。

長友 本当ですか?

堀米 はい、今日も見に来ています。僕は(味の素スタジアムで)家族と会えなかったんですけど、相当喜んでいたと思います。

長友 本当ですか。お母さんにお礼を伝えてください。

「若い選手よりも練習量を多く」

長友の運動量は30代の半ばを迎えても落ちない 【撮影:石田 祥平】

――何か長友選手に聞いてみたいことはありますか?

堀米 サッカーはずっと走っているスポーツだと思うんですけど、あそこまでの体力をどうやって作っているのか、食生活がどういう感じかお聞きしたいです。

長友 食生活もそうだし、だいぶ節制しています。あとやっぱり歳を重ねると「練習量を落とそう」という思考になるんですけど、逆に若い選手よりも練習量を多くする――。そこはこだわってやっていますね。

堀米 へえ〜。

長友 トレーニングをしないと落ちていくのが早いので。もう36歳になるのでリカバリーとか、そういったものが落ちてくるんです。でもやっぱりトレーニングをしないと駄目だと思いますね。

堀米 (トレーニングは)どれくらいやるんですか?

長友 普通のチーム練習が1時間半、2時間くらいあって、その後に個人の練習を1時間くらいやります。それは午前中ですけど、午後はまた自分のコンディションに合わせてトレーニングをしています。

堀米 結構ハードスケジュールですね……。

五輪後に「声をかけてくれる人が増えました」

堀米の金メダルには長友も感動 【撮影:石田 祥平】

長友 堀米選手はどのくらいトレーニングをするんですか?

堀米 僕はあまり「スケボー以外のトレーニング」をしていなくて、体幹トレーニングは少ししますけど、スケートの練習は大体2時間ぐらいです。街中で滑るときは長く滑るんですけど、集中してないときはけがをしやすいので、2時間みっちり練習する感じが多いです。

長友 街中でトレーニングをするんですか?

堀米 そうですね。街中で滑るのもすごく練習になります。日本だと街中で滑ることに対して厳しいですけど、アメリカはストリートカルチャーがあって、そもそも元々スケボーはストリートカルチャーなんです。「街中で映像を残していく」みたいなものから広がる文化なので、今アメリカで活動させてもらっている中で、その活動にすごく憧れています。

長友 (街中で)堀米選手が滑っていたら、みんなびっくりするでしょ?

堀米 いやいや……。でもオリンピックの後、声をかけてくれる人はすごく増えました。オリンピックは本当に影響力があるんだなと思いましたね。でも元々オリンピックを目指してスケボーしていたわけじゃなかったんです。東京で初めてオリンピック種目になったので、タイミングよく……。

長友 それでしっかり金メダルを取って!いや本当かっこよかったですよ。僕も(FC東京加入直前で)ちょうど日本に帰ってきている時期だったので、テレビでしっかりと見ていたんですけど、感動しましたね。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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