1巡目指名は現役、それともレジェンド!? 谷繁元信と岩本勉が「1番打者ドラフト」開催!
谷繁元信と岩本勉が歴代最強の1番打者を5人選出する 【スポーツナビ】
右肩上がりで急成長した山田哲人
野球ファンへのアンケート調査と並行して、球界OBの谷繁元信と岩本勉に取材を依頼。同調査と同じ現役、OB合わせて174人のノミネート選手の中から、両氏が最強だと思う5人を「ドラフト会議」形式で選んでもらった。本家との違いは、指名選手が被った際は抽選(くじ引き)ではなく、「激アツのじゃんけん大会」(岩本)の勝敗によって決まるということだ。
唯一のトリプルスリー複数回達成者・山田哲人 【写真は共同】
「3割、30本、30盗塁できる1番打者はそうはいない。出てきた頃からの右肩上がりの成長スピードも凄かった」と谷繁は感嘆する。20年以降は3番を任されることが増えた山田は、4月2日のDeNA戦で通算250本塁打を達成。ヤクルトでは池山隆寛とバレンティンに次ぐ、3人目の快挙だ。
山田の魅力は本塁打もさることながら、盗塁成功率にもある。昨シーズン終了時点の盗塁数は180で、盗塁死は31。85.3%という、非常に高い盗塁成功率を誇る。また、現時点の出塁率の通算記録は.393と4割に迫り、「絶好調の山田が、その日の対戦で最も多くなる1番で出てくるのはきつかった」と谷繁。まさに「捕手泣かせの1番打者」(岩本)だ。
スイッチヒッター初のトリプルスリー達成者・松井稼頭央 【写真は共同】
04年に鳴り物入りでMLBに移籍。日本人内野手初のメジャーリーガーとして、10年までメッツ、ロッキーズ、アストロズの3球団でプレーした。11年に楽天に入団して日本球界に復帰すると、13年には楽天初の日本一に貢献。18年に古巣・西武に移籍して現役を退いた。
走攻守の全てに優れた選手の呼称「5ツールプレイヤー」を欲しいままにする松井が、1番打者としてキャリアハイの成績を残したのは、西武時代の02年。打率.332、119得点、193安打、33盗塁、長打率.617、出塁率.389の成績を残して、スイッチヒッターとして史上初となるトリプルスリーを達成。長打率と出塁率を合わせた指標「OPS」は驚異の1.006に及んだ。
番組で岩本は松井から先頭打者本塁打を打たれ、内野スタンドのファンから手痛いヤジを浴びたエピソードを披露する。そんな松井の先頭打者本塁打の通算記録は26本で、これは歴代6位の記録。ちなみに、1位は“世界の盗塁王”福本豊の43本だ。
初出場の97年のオールスターで古田敦也から4盗塁。足でファンを魅了した松井稼頭央 【写真は共同】