連載:プロ野球・スポーツナビ週間MVP

プロ野球・スポナビ週間MVP データの枠を超えて佐々木朗希を特別選出(4/4〜4/10)

データスタジアム株式会社

完全試合を達成しガッツポーズを見せる佐々木朗希 【写真は共同】

 スポーツナビでは2022シーズンのプロ野球で、週間MVPを選出する。データスタジアム社提供の「WPA(Win Probability Added)」という指標(=その選手がどれだけチームの勝利確率を増減させたかを表す指標)を基に、「セ・リーグ野手」「パ・リーグ野手」「セ・リーグ投手」「パ・リーグ投手」の4部門で選手をランキング化。トップに輝いた選手を、ぜひチェックしてほしい。

 セ・リーグの野手では逆転2ランを放った吉川尚輝(巨人)が、パ・リーグでは昨季までの本拠地で勝負強さを見せた西川遥輝(楽天)がトップに輝いた。

 セ・リーグの投手では高橋奎二(ヤクルト)が120球を投じて9回1失点の完投勝利。一方のパ・リーグでは3登板でいまだ防御率0.00を維持している石川歩(ロッテ)が堂々の1位となった。

データを超えた特別枠に佐々木朗希

 まず、今回の対象期間でパ・リーグ投手のランキング上位に佐々木朗希(ロッテ)の名はない(WPA 0.420で同ランキング6位)。これはWPAという指標の性質上、アウトカウントを増やした手段を個人評価の対象としていないこと、ある程度点差が離れると自軍の勝利確率が非常に高い状況になり(6対0の7回表開始時点でロッテの勝利確率は99%)、アウトを積み重ねても勝利確率の変動にさほど寄与しないことなどが理由である。とはいえ、NPB新記録の13連者連続奪三振や28年ぶりの完全試合を達成した佐々木の投球が今週のハイライトだったことは疑いようもなく、空前の快挙を讃えてデータを超えた特別枠のMVPに選出する。

トップバッター定着を狙う吉川が好調をキープ

【データ提供:データスタジアム】

1位 吉川 尚輝(巨人)
 打撃好調の6年目内野手がセ・リーグ野手のトップ。3月31日以降は出場したすべての試合で安打をマークしており、同期間の打率は.405を記録。4月6日の広島戦では1点を追う8回に逆転2ランを放ち、チームを勝利に導いた。今季は1番・セカンドとして起用され、攻守にわたって積極的なプレーが光っている。

2位 立岡 宗一郎(巨人)
 14年目の今季は開幕一軍入りを果たし、主にピンチランナーとしてここまで11試合に出場。4月9日のヤクルト戦でも試合終盤に代走起用されると、打席が回った延長10回に自身初のサヨナラ弾を放ち、チームの連敗を止めた。今後も献身的な働きでアピールを続け、出番を増やしたいところだ。

3位 木下 拓哉(中日)
 開幕直後こそ快音が聞かれなかったものの、3月30日からここまでは8試合連続安打中。特に4月5日からの対ヤクルト3連戦では、2本塁打を含む12打数6安打をマークし、計7打点を挙げる大活躍を見せた。攻守両面でチームを支える正捕手が、今週も持ち前のパンチ力で打線を引っ張る。

札幌の地で躍動した西川が1位に

【データ提供:データスタジアム】

1位 西川 遥輝(楽天)
 新天地で躍動するスピードスターが先週のパ・リーグ野手トップに輝いた。古巣・日本ハムとの3連戦で11打数5安打4打点をマークする活躍を披露。4月8日の試合では1点リードの4回に追撃の2点適時打、10日には2点ビハインドの7回に1死満塁の好機から同点打を放った。

2位 上林 誠知(ソフトバンク)
 チームの窮地で貴重な一打を放った上林が2位にランクイン。4月6日のオリックス戦では1点ビハインドの9回に2死一三塁の好機で代打として登場。オリックスの守護神・平野佳から一時は同点となる適時打をマークした。レギュラー奪取に燃える9年目外野手がバットで存在感を示した。

3位 三森 大貴(ソフトバンク)
 4月5日にプロ1号となる逆転3ランを放つと、7日の試合では先制アーチ。オリックスとの3連戦で12打数5安打2本塁打の活躍を披露した。ケガにより直近の試合を欠場しているものの、ここまで好調な打撃で打線をけん引しており、首位を走るチームの原動力となっている。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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