バスケ界の未来はアンダー世代の躍進が不可欠 千葉ジェッツが取り組むアカデミー事業とは
B1の千葉ジェッツが持つU15女子クラブ 【(c)千葉ジェッツアカデミー】
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女子日本代表の銀メダル獲得が大きな夢を与えた
いつかはこのクラブから日本代表でプレーする選手が出現するかもしれない 【(c)千葉ジェッツアカデミー】
「日本のアスリートは世界の舞台で弱いわけではない。むしろ世界的に見ても大舞台に強く、高いパフォーマンスを出している」
セミナーの最中、リモート画面上に出すデータやグラフを見ながら講師の豊田太郎氏(ベースボール&スポーツクリニック)が発する言葉を千葉ジェッツのU15クラブの選手たちは食い入るように聞いていた。
そのデータを見ると、東京2020オリンピック前までに世界ランキング8位以内に入っている選手の3割強が五輪でメダルをつかんでいる日本。これは世界を見てもアメリカに次いで2番目に高い数字だった。それも限りなくアメリカに近いパーセンテージ。これまで日本は「勝てていない、勝負強くない」と勝手に印象付けられていた。メダル候補となった選手の多くがメダルを獲れるというデータを見ながら、ジェッツ傘下でバスケットボールに没頭する10代の女子選手たちは目を輝かせ、自分の未来の姿を想像していた。
「日本選手は世界の大舞台には強い」
今まではぼんやりとしていたものが数字として示されているのを中学生という年齢で、肌で感じることができた。
さらに昨夏、彼女たちに大きな夢を与える出来事があった。
東京2020オリンピックでのバスケットボール女子日本代表の銀メダル獲得は世界を驚かせるビッグニュースだった。バスケットボールシーンに残る誇り高き姿。当時世界ランキング10位からの快進撃は過去のデータを上回る注目すべき結果となったのだ。
絶対的エース、渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)がケガで出場できない中、大会直前の予想はなかなか厳しいものだった。しかし、結果はその予想を覆すものとなった。世界の強豪のストロングポイントである高さとパワーを日本チームはスピードと運動量、技術、組織力、そして精神的な強さで補えることを証明して見せた大会だった。
キャプテンを務めた高田真希(デンソーアイリス)、司令塔の町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)、シューターの林咲希(ENEOSサンフラワーズ)らのようになりたい……ミニバスをはじめ、地域のクラブ、そしてBリーグのアカデミーでも女子バスケに没頭する10代の女子選手たちが目の色を変えて練習に挑む姿が見られる。