連載:#BAYSTARS - 横浜DeNAベイスターズ連載企画 -

谷繁氏が語る24年ぶりベイスターズVへの道 キーマンは牧、大切なのは本拠地の貯金

ライトハウス

三浦監督の「18」番を受け継いだドラ1新人・小園。谷繁氏も期待を寄せる 【写真は共同】

 スポーツナビと横浜DeNAベイスターズが連携してお送りする「#BAYSTARS」。1998年以来のリーグ優勝、日本一を目指す、ベイスターズの今をお届けする。今回は98年V戦士であり、野球解説者としてベイスターズを見守る谷繁元信さんのインタビュー。三浦体制2年目で「横浜反撃」を掲げるベイスターズをどう見ているのか!?(取材日:3月10日)

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長いシーズンを戦う上では控えの層を厚くすることが大事

――キャンプ、オープン戦を見て今年のベイスターズにはどんな印象がありますか?

谷繁 昨年よりはいい仕上がりになっていると思います。まず野手のほうから言うと、昨年との大きな違いは最初から中心となる外国人選手がいること。そしてもう一つは牧の存在ですね。新人だった昨年は未知数なところからスタートして、あれだけの成績を残しました。2年目に入ってどうかな?とオープン戦を見ていましたが、安定したバッティング見せてくれているので、今年も計算ができると思います。

――昨年はスタートダッシュに失敗しただけに二の舞は避けたいところですね。

谷繁 ケガをしていた佐野は開幕にギリギリ間に合いそうですが、残念なのは森ですね。キャンプ、オープン戦といい感じできていたので、ケガはもったいないですよね。あとはキャッチャーに関しては、山本、益子と若い選手を使おうとはしていますが、ここは固定というわけにはいかないと思います。伊藤光、戸柱、嶺井といった中堅、ベテランも含めて回していけば何とかなるのかなと。

――キャッチャー以外のスタメンはある程度、見えてきそうですね。

谷繁 ベイスターズの課題の一つは、レギュラーと控えの力の差があること。細川や伊藤裕季也といった右の長距離砲がもう少し安定してくれると、さらにチーム力は上がっていくと思いますが、ここはどうなるかまだわかりません。レギュラー陣が常に試合に出ているぶんにはある程度計算はできる戦力ですが、長いシーズンを戦っていく上で、控えの層を厚くしていくことが大事になりますね。

――投手陣はいかがでしょうか?

谷繁 今永がケガで出遅れるということで、開幕投手は東に決まりましたけど、近年のベイスターズは毎年のように開幕のときに誰かがいないんですよね(苦笑)。それも一人じゃなくて、2人、3人といないとどうしても厳しくなります。ただ、今年は石田が先発に回るということでここまでは順調に来ていますし、大貫、ロメロ、坂本、浜口、上茶谷、京山と頭数はいますよね。数はいるけど、1年間ローテーションを守った経験のある選手が少ないので、そういう意味でも先発には不安があります。

――中継ぎ、抑えも昨年はかなり苦しみました。

谷繁 抑えは三嶋が息切れして、山崎康晃に戻してもピリッとしなかったですからね。今年は山崎が近年の中では良さそうですが、実際にシーズンが開幕してみないと見えない部分があります。エスコバーも含めて誰を最後に持っていくかというところも決めていかなければいけません。投手陣の中では新人の小園が楽しみな存在です。実際に投げているところはまだ見ていないのですが、映像を見る限りはいい素材ですね。

――早く1軍で出てくる可能性もありそうですか?

谷繁 出てきてほしいです。新しい力は必要ですからね。

キャッチャーは固定する必要はないコーチ陣の入れ替えはプラスになる

――先ほどの話にもありましたが、ベイスターズはキャッチャーが長年の課題です。ここは誰が中心になってくると予想しますか?

谷繁 チームとしては即戦力を期待して戸柱や嶺井を獲ったり、上位で高城を指名したり、レギュラー候補になると思って獲得しているわけですけど、そこが思った通りに成長していない。こういう状況が続いているので、誰かをレギュラーで使って育てるということはしなくてもいいかなと思います。状態のいい選手を使ったり、ピッチャーとの相性で使ったり、そういう使い方でもいいのかなと僕は思います。

――絶対的なレギュラーがいない以上、使い分けていったほうがいいと。

谷繁 そのほうが悩まなくて済むと思います。本当は絶対的なレギュラーがいればベンチは楽なんですけど、現状では誰かの力が抜けているわけではないし、それぞれの能力もある程度はわかっているわけですから。今は無理やり誰かを育てようとして我慢して使う必要はないと思います。

――三浦監督は今季が2年目になります。1年目と変化を感じる部分はありますか?

谷繁 キャンプを終わってチームのオープン戦の調子もいいので、昨年と比べて表情が明るいですよね。シーズン前は楽しみ半分、不安半分というものですが、チーム状態がいいので、今は不安が40%で楽しみが60%くらいになっていると思います。

――今年はコーチ陣が大幅に入れ替わりました。三浦監督にとって、チームにとって、このあたりはどのような影響があると考えられますか?

谷繁 プラスの面が大きいと思います。三浦監督と同じ時期に一緒にプレーしていたコーチが多いので、お互いにわかり合えている部分もありますし、いろいろ相談したり、意見を聞いたり、昨年よりもやりやすい環境だと思います。また、実績のある石井琢朗コーチがチームに戻ってきたり、相川バッテリーコーチもジャイアンツで3年の経験がある。投手のほうでは小谷さんも戻ってきました。小谷さんは投手のメカニック的なところ、メンタル的なところを見るのがすごく上手な方です。コーチ陣の実績という部分でもいい影響はあるんじゃないですかね。

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