バスケとの再会で蘇った「好き」の気持ち Bリーグ観戦の魅力を知り、私の「呼吸」になった
あの日からバスケに取りつかれた
バスケとの再会を果たした、2017年12月9日、青山学院記念館で行われたサンロッカーズ渋谷と千葉ジェッツとの一戦 【(C)B.LEAGUE】
私にとってバスケットボールというものはそういうものだ。
私が最初にバスケの魅力に取りつかれたのは確か、そう、小学5年生の頃。当時、休み時間にバスケをすることがはやっていて、授業終了のチャイムが鳴るとボールを持って一目散に運動場のバスケコートへ全速力で走った。たった15分の休み時間だったけれど、ミニバスに通う男の子が一人いて、その子を中心に友達と一緒に無我夢中でバスケをした。そして、ドリブルもシュートも誰よりも上手くて楽しそうにバスケをする彼を見て、「私ももっと上手くなりたい! あんな風にボールを自由自在に操りたい!」と思ったあの日から、私はバスケに取りつかれている。もちろん、当時彼に惹かれていたのはここだけの秘密である。
中学3年間はバスケットボール部で青春を謳歌(おうか)した。高校に上がってバスケから離れた私が、再びバスケットボールに触れたのは社会人になってからだった。高校時代のバイト先の先輩が社会人バスケに誘ってくれたのだ。そこで久しぶりに体育館という空間、匂い、バスケットボールの感触に触れた。そして、バッシュのキュッキュという音に自分の鼓動が、大怪獣が背後から押し寄せてくるかのごとく“ドン!ドン!ドン!”と飛び跳ねるのがわかった。「あぁ、私バスケが好きだなあ」と思った何度目かの瞬間のうちの一つだった。
しかし、私はまだ知らなかったのだ。プロバスケというものを。観戦の魅力というものを。
24歳の“初観戦”で感じた「近さ」
バスケが好きだった私だが、好きなのは「プレイ」することで、「観戦」にはそれまで全く興味がなかった。学生の頃に一度、女子バスケのシャンソンVマジックの試合を見た記憶が少しあるくらい。なので「プロバスケの試合がこんなに多く繰り広げられていたのか」と驚いたのを今でも覚えている。関東だけでも複数のチームがあることにも驚き、そして何より、私が最も興奮したのは選手との「近さ」だった。
会場に入ってすぐ、プロの選手たちが目の前でシュート練習をしているのだ。もう本当に「やあ!」と声をかければ、「やあ!」とすぐに返事が返ってきそうな距離なのである。身長が180センチや200センチもあるような選手たちが目の前にいる。それだけで非日常的な世界へ連れて行ってくれるような気がした。
何よりも私を魅了したのが体育館に響くキュッキュというバッシュの音。そう、社会人になって久しぶりに感じたあの「あぁ、私バスケが好きだなあ」の気持ちが一瞬にして蘇った。
バッシュの音に混ざるチームメイトの声、そしてバスケならではのスピード感。それはもう目が回るほどの攻守の切り替えで酔ってしまいそうになる。それがまた心地よくて。その頃、世界はまだ声を出しての応援が可能だったため、ブースターの声援がさらに心臓をたたいた。