里崎智也が厳選、パ期待の若手投手4選 佐々木朗希は先発ローテを1年間守れるか
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先発ローテの期待がかかる佐々木朗希
昨季は63.1回を投げ3勝2敗、防御率2.27。CSでも圧巻の投球を見せた“令和の怪物” 佐々木朗希 【写真は共同】
里崎 今回は、昨季でいうオリックスの宮城大弥クラスの活躍を見せ、二桁勝利を挙げることへの期待が持てる投手を「ブレイク候補」として紹介したいと思います。その筆頭として、今季最も期待が持てるのはロッテの佐々木朗希です。1年目は体力を強化して、2年目の昨季は登板間隔を空けながら大事に使い、いよいよ今季はどうなるか。彼がケガをせずに1年間ローテーションを守れるかどうかは、チームの優勝にも大きく関わってくるはずです。
――昨季は終盤戦で安定感抜群のピッチングを見せました。捕手目線から見て、佐々木の魅力はどこにありますか?
里崎 “生きたストレート”を投げられることです。あのストレートがあるからこそ、変化球が生きる。今年は中6日で、その生きたストレートを投げ続けることができるか。あるいは、中10日以上空けなければいけないのか。その見極めが必要になってきます。
――球速にも注目が集まります。
里崎 球速“だけ”に注目するのはド素人ですね。もちろん、球速は出ないよりは出たほうがいいですけど、僕から言わせてもらうと「出たからどうやねん」って感じです。佐々木の場合はバッターが苦しんでいる様子を見ていると、生きたストレートを投げられていると思います。
――実際、佐々木を中6日で回すことはできそうですか?
里崎 それはやってみないとわかりません。僕の予想では、今季のロッテの開幕投手は佐々木です。繰り返しになりますが、ポイントは1年間先発ローテーションを守りきることができるかどうか。長いシーズン中には、ストレートが走らない日も当然出てくるので、そのときにどんなピッチングを見せることができるか。そもそも、プロは万全の状態で試合に臨むことができない方が多いです。疲れていても、状態が悪くても、先発投手として試合を作る。それが今季の彼の課題になってきます。
強力先発陣に食い込む山崎颯一郎
昨季、ヤクルトとの日本シリーズ第4戦で好投したオリックスの山?颯一郎 【写真は共同】
里崎 オリックスの山崎颯一郎ですね。昨季は終盤、いい感じに投げていて、ヤクルトとの日本シリーズ第4戦では先発として試合を作りました(5回4安打1失点)。終盤は中6日で回っていたので、今季はシーズンを通してローテーションを守れるか。オリックスには山本由伸、宮城、田嶋大樹、山崎福也、外国人投手がいて、ここに山岡泰輔が復活し、さらに山崎が加われば、強固な先発投手陣となるでしょう。
――山崎の魅力はどこに感じますか?
里崎 一軍で投げ始めた当初はちょっとアバウトな感じで投げていて、力で抑えるパワーピッチに見えましたが、経験を重ねるにつれて変化球の制球力が上がってきています。変化球でしっかりとカウントを取ることができれば、もっと勝てる投手になるでしょう。いい意味で、まだまだ発展途上な印象ですね。
――190センチの長身から投げる角度のある投球にも魅力に感じます。
里崎 「身長が高いから角度がある」わけではないですよ(笑)。元日本ハムの武田久のように、身長が高くなくても、角度を感じる投手はいます。その逆に、身長が高くても、角度を感じない投手もいる。そう考えると、正直「角度のある投球」ってよくわからないですね。
――オリックスは優秀な若手の先発投手を次々に輩出していますが、どのような要因があると思いますか?
里崎 それは簡単です。オリックスにはベテランが少ないので、若手を積極的に起用していくしかなくて、ファームで結果を出した投手を順番に起用しています。そもそも、あまり強くないチームに結果を出すことができないベテランが必要とされるケースはほとんどないのが実情です。若手の成長の妨げになってしまうだけですから。あと一歩で優勝できるチームには、その“あと一歩”を埋めるベテランの力が必要になってきます。