連載:セ・パ名捕手が選ぶ! 2022年期待の若手選手たち

里崎智也が厳選、パ期待の若手投手4選 佐々木朗希は先発ローテを1年間守れるか

大利実

年間を通じて活躍してこそプロ

ロッテの河村説人(写真右)。昨季は谷間の先発として4勝1敗、防御率3.46の成績を挙げた 【写真は共同】

――3人目のブレイク候補投手は?

里崎 ロッテの河村説人です。昨季は谷間の先発として、いいピッチングを見せていました。目の覚めるような球はないですが、自分から試合を壊さない。6イニングぐらいを安定的にまとめるピッチングができる投手です。

――河村は変化球でカウントを取るイメージがあります。

里崎 今はまとまっている感じなので、球質がもうワンランク上がっていくとおもしろい存在になるでしょう。ロッテの先発陣は小島和哉、佐々木、石川歩、美馬学、岩下大輝、ロメロがいるので、6番手ぐらいの競争になると思います。

――ここまで3人の投手が来季のブレイク候補として挙がりましたが、里崎さんが来季期待する投手は他にもいますか?

里崎 最後は西武の渡邉勇太朗の名前を挙げておきましょう。ケガがあって、1年間育成のスケジュールが遅れたようですが、それを考慮しても順調にステップアップしている印象です。昨季はカットボールを中心に、いいピッチングを見せていました。西武の先発投手の頭数を考えると、渡邉にかかる期待は大きい。開幕からうまくいければ、ローテーションの一角を担うことができるのではないでしょうか。

昨季は17試合に登板し4勝4敗、防御率3.44。さらなる飛躍に期待がかかる西武の渡邉勇太朗 【写真は共同】

――現状の西武の投手陣を考えると、渡邉にとってはチャンスですね。

里崎 活躍するためには、こういうチャンスを逃さないことも大事です。あと、今回挙げた4投手全員に共通して言えることですが、1年間ローテーションを守ることができるかどうか。繰り返しになるのですが、ここが最も重要です。ベストの状態ではなく、ベターな状態でも試合を作り、勝つことができるか。

――年間を通して活躍できてこそプロ、というわけですね。

里崎 当然です。たまにしか結果を残すことができない選手は一流とは言えません。また、プロの世界は研究の仕合ですから、相手に研究された自分をさらに上回ることができるか。注目です。

里崎智也(さとざき・ともや)

1976年徳島県生まれ。鳴門工業高から帝京大を経て、1998年にドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団。2005年のリーグ優勝と日本一、「史上最大の下剋上」と呼ばれた10年のリーグ3位からの日本一に貢献。06年のWBCでは正捕手として王ジャパンを世界一に導いた。14年に現役引退。現在はテレビ、ラジオ、YouTube、書籍など、幅広い分野で活動中。

(構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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