安藤美姫が振り返る「ファイナルなきGP」 北京五輪出場争いはロシア女子3枠が白熱

沢田聡子
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日本人同士のペアとして初のGPファイナル進出を決めていた三浦璃来/木原龍一組だったが、夢舞台で演技することは叶わなかった 【Getty Images】

 フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズのクライマックスであるGPファイナルが中止となった。昨年に続きコロナ禍の影響によるものだが、「ファイナルなきGP」はこれで2年連続。特に日本人同士のペアとして初のGPファイナル進出を果たす予定だった三浦璃来/木原龍一組(木下グループ)にとっては無念の結果となった。
 
 ただ、五輪シーズンのフィギュアスケートは、これからが佳境。北京五輪出場を懸けた各国の代表争いが始まるからだ。女子シングルの注目は、カミラ・ワリエワを筆頭に五輪での表彰台独占も狙える選手層を誇るロシア勢。全日本選手権(12月22〜 26日、さいたま)と同時期に開催されるロシア選手権(現地時間12月23〜26日、サンクトペテルブルク)は、世界が注目する大会となる。今回はトリノ、バンクーバーと2大会連続で五輪に出場し、世界選手権で2度の優勝を経験した安藤美姫さんに、女子シングルにおける各国の北京五輪出場が期待される選手を分析してもらった。(取材日:12月3日)

GPファイナル中止の今こそ、選手には一層の応援を

トリノ、バンクーバーと2大会連続で五輪に出場し、世界選手権を2度制した安藤美姫さんに、GPシリーズの振り返りと各国の北京五輪出場権争いについて聞いた 【写真:本人提供】

――昨年に続き今年も、コロナ禍によりGPファイナルが中止になりました。

 応援してくださる皆さんが試合を心待ちにしていただいたことは、非常にありがたいことです。選手は応援の気持ちを絶対に受け取っていますし、ものすごい支えになっていると思います。

 同時に、「どうなるんだろう」と最も心配しながら、頑張らなければいけない立場にいるのも選手ですよね。日本から海外に試合に行く選手、海外から日本に来る選手、どちらも母国に帰ったら隔離の期間がある状況は、ずっと変わっていません。試合は開催できるようになってきましたが、選手はいつも緊張感を持って毎日を過ごしていると思います。

 まだ私が現役だったとしたら「応援している方たちだけが残念に思っているわけではなく、選手も皆さんに会えるのを同様に楽しみにしている」というメッセージを伝えたくなると思います。今世界で起こっていることも受け入れつつ、一人ひとりが思いやりを持った行動をしたうえで、次の試合まで温かく見守っていてほしいですね。

――日本人同士のペアとして初めてGPファイナル進出を果たした、三浦璃来/木原龍一組の演技が見られなかったことは残念です。

 試合を重ねるごとに信頼関係も強くなっているなと思いましたし、自国開催のNHK杯でも良い結果(3位)を残していますね。日本人同士のペアとしては初めてのGPファイナル進出で、もしかしたらメダルが取れたかもしれない状況でした。そういう意味でも今回のGPファイナルは「歴史を変えるかもしれない試合」だったので、本当に残念という気持ちもあります。

 五輪シーズンになってグランプリファイナル出場を果たし、世界のトップ6に食い込む実力をつけてきているのは二人の努力とコーチとの信頼関係によるもので、巡り合わせの良さも感じます。三浦選手も木原選手も、今まで別のパートナーと組んできました。特に木原選手は、三浦選手と出会って、この数年であそこまで演技を完成させている。木原選手は男子シングルからペアに転向していますが、私は彼と同じ地元で、シングルスケーターだった小さい時から知っているので、余計にそう感じます。

 ペアの男子はシングルの男子よりも選手生命が長く、年齢を重ねているからこその強さがあるイメージがあります。見ていて「今までの経験のすべてが、このシーズンのためにあったのかな」と感銘を受けていました。いつも「頑張ってほしい」と思って見ていたので、個人的にファイナル進出はとても嬉しい結果でした。
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著者プロフィール

沢田聡子

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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