連載:原晋「改革する思考」

箱根駅伝はもっと面白くなる 青学大・原監督「陸上界がお祭りに」

原晋
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第2回:学生に恵まれた環境で競技に取り組んで欲しい

原晋監督は箱根駅伝の成長に満足せず学生により良い競技環境を与えるのが重要だと言う 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 箱根駅伝は学生スポーツとしては大きな社会的な影響力を持っているのは間違いないでしょう。学生スポーツでは、夏の甲子園と箱根駅伝が両横綱ではないでしょうか。

 歴史を振り返ってみると、私が高校生だった1980年代中盤まで、箱根駅伝は全国的なコンテンツではなく、関東の一部と、卒業生、そして陸上ファンだけのものだったと思います。箱根駅伝が変わったのは、1987年に日本テレビ系列で全国中継されるようになってからです。

 これが箱根駅伝史上、もっとも画期的な出来事だったと思います。つまり、テレビの持つ力が箱根駅伝を大きく発展させたのです。

 日本テレビでの中継が始まってから30年以上が経過し、箱根駅伝熱は2024年の第100回大会に向けて、ますます盛り上がることでしょう(新型コロナウイルスのことが気がかりではありますが)。しかし、私の目からは箱根駅伝をこのまま維持しているだけでは、これ以上の発展はないと考えてしまうのです。

 これ以上、何を望むのか? という意見もあるでしょう。しかし、私から見れば、もっともっと箱根駅伝は影響力を増すことができるし、その延長線上で陸上競技が魅力あるスポーツへと成長できると信じているからです。

 つまり、改革の余地があるのです。

 ひとつ、私が書いておきたいことがあります。

「原は、現状の批判ばかりしているじゃないか」

 と言われることがあります。仕方がないと思いつつも、私は否定することはしていません。否定する文化は大嫌いです。

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