連載:原晋「改革する思考」

原監督「学生が利益を享受できる体制を」 MGCのような改革を学生界にも願う

原晋
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第3回:学生スポーツにマネージメント発想を導入すれば日本はもっと強くなる

青山学院を駅伝の強豪に変えた原晋監督。学生スポーツの強化のためにはマネージメントの発送が大事だと言う 【写真:西村尚己/アフロスポーツ】

 陸上競技のことを考えると、いろいろなアイデアが湧いてきて楽しくなってきます。前章を書き上げてからも、駅伝についてはいろいろなアイデアが出てきます。中継所で家族がタスキをつなぐところを写真や動画に収めるとか、全国の大会で可能なのではないでしょうか。あるいは、タスキにまつわる作文を募集するなど、いろいろな思いが全国にはあるように思います。

 私はスポーツにおけるマネージメントの力を信じています。競技者、指導者だけではなく、ファンのみなさんが陸上を大好きになってくれれば、日本の陸上はより強くなれます。トップ選手の実力は、その国の「陸上力」の反映だと思うのです。

 それは強化現場にも当てはまります。選手を強くする、育てるために必要なのはコーチングやトレーニングだけではなく、組織の土台、仕組みを改革することからだってできる。日本の指導者には、その発想が欠けているような気がしてならないのです。

 箱根駅伝を走ったことのない私が、青山学院をここまで強化できたのは、こうしたマネージメント発想を導入したからです。青山学院という学校が持つブランド力をベースに、他の指導者が持ちえないビジネス的なノウハウを応用したからこそ、箱根出場、シード権獲得、優勝にまでたどり着けたのです。

 こうした発想が日本の陸上界に広がっていかないかな――と考えていたのですが、東京オリンピックに向けて、陸上界から生まれた改革発想が大きな成果を生みました。

 日本陸連のマラソン強化プロジェクト「マラソングランドチャンピオンシップ・シリーズ」、みなさんが「MGC」と呼んだ東京オリンピックへ向けた代表争いの仕組みは、素晴らしいケーススタディとなりました。

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