【独占インタビュー】澤村拓一、MLB1年目の本音

澤村拓一がメジャー1年目を振り返る 異国で奮闘する自分を支えた存在とは?

岡田真理
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 メジャーリーグでの1年目を終えたレッドソックスの澤村拓一。レギュラーシーズンは55試合に登板し、5勝1敗、防御率3.06という成績を残した。また、今シーズン日本人選手唯一となるポストシーズン出場も経験。レッドソックスの先輩である上原浩治氏も澤村の活躍を「100点満点」と絶賛したが、シーズンを終えた今、本人は怒涛の1年をどう振り返るのか。そして、飛躍できた“本当の要因”とは――。

タフさは想像を超えていた

MLB1年目で今季の日本人唯一のポストシーズン出場も果たした澤村。シーズンを終えた今思うことは? 【Photo by Omar Rawlings/Getty Images】

――メジャー1年目のシーズンを終えて、率直に今の心境を聞かせてください。

 タフでしたね。MLBという世界は、自分が想像していたよりもずっとタフでした。162試合という試合数もそうですし、気候、遠征の移動、時差……。ナイトゲームが終わってそのまま移動して真夜中や夜明けに帰宅することなんて当たり前でしたから、眠れないことも結構あって、そんな時はいつもより気持ちが弱くなってしまうこともありました。このタフさは、やってみて初めてわかること。まさに百聞は一見に如かずです。

――そんなタフな環境の中、1年目にしてポストシーズンまで経験されました。

 終わってしまった時はものすごく悔しかったです。ワールドシリーズ進出のチャンスもあったので。でも、チームとしてALCS(ア・リーグ優勝決定シリーズ)まで行けたこと、あの雰囲気の中で投げられたことは、今後自分の中で確実にプラスになっていくだろうと感じます。

――会見では、ポストシーズン初登板は緊張したと話していましたね。

 登板間隔も開いていて、さらに1点差の場面だったので。でも、その後は落ち着いて投げられました。ポストシーズンは球場の雰囲気もファンの熱量も、やる野球もがらっと変わります。サインくださいと言ってくる子供が極端に減って、大人のお客さんが増えるんですよ。

 チケットが高騰するからなのかもしれませんが(笑)。でも、その分みんな野球をよく見ているなと。ストライクでボール判定だといつもよりすごいブーイングが起きたりして、情熱を持って観ているファンの熱量をより一層感じました。

――シーズンを経験してみて競技面で感じたこと、課題などはありましたか。

 ボールやマウンドなど日米の違いがいろいろとある中で、ストライクゾーンの違いに関しては、要領を掴めてきたのが後半戦に入ってからでした。
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著者プロフィール

1978年、静岡県生まれ。立教大学文学部卒業。プロアスリートのマネージャーを経てフリーライターに。『週刊ベースボール』『読む野球』『現代ビジネス』『パ・リーグ インサイト』などでアスリートのインタビュー記事やスポーツ関連のコラムを執筆。2014年にNPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーションを設立し、プロ野球選手や球団の慈善活動をサポートしている。

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