大谷翔平、ホームラン量産の秘密に迫る 「覚醒」を導いたのは何か?
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大谷のバレル率はリーグトップ
例えば、そんな状況を見据えてだが、もちろん、野手の肩も計算に入れる。2日の試合では、同点の9回、二盗を決めたあと本塁へ激走するシーンがあり、大谷はその日放った2本塁打より、「最後の盗塁とセカンドからの走塁の方が、価値がある」と話したが、本来、走塁がクローズアップされることはまれ。しかし、普段の習慣の積み重ねが、ここぞでモノを言う。
大谷は打席でも同様の仕草を見せ、相手が大胆なシフトを敷いてくるので、むろんそれは嫌でも目に入るが、実際はあまり関係はないのかもしれない。前に飛ぶ打球のおよそ4分の1は、野手の頭を越えていくのだから。
それを示すバレル率というデータがある。ざっくり、「いい角度で上がった強い打球」の比率と解釈してもらっても構わないが、以下、簡単にその定義をまとめる。
バレルは、打球速度と打球角度によって決まり、最低でも打球初速は98マイル(約158キロ)以上。このときの打球角度が26〜30度でバレルの打球となる。打球初速が1マイル(約1.6キロ)上がるごとに角度が扇のように広がり、99マイル(約159キロ)の場合、打球角度が25〜31度でバレル。100マイル(約161キロ)の場合、24〜33度。100〜116マイル(約187キロ)までは、打球速度が1マイル上がるごとに3度ずつ打球角度が広がっていく。
では、なぜこのバレルの理解が大切なのか。
今シーズンの場合(7日現在)、MLB全体で見ると、バレルゾーンに入った打球の打率は.760。長打率は2.544。そして今季2982本塁打のうち2564本(約86%)がバレルの打球。つまり、この比率の高いほど、長打が期待できる打者ということになる。以下にランキングをまとめたが、顔ぶれを見れば納得だろう。そして、大谷のバレル率は、打席数に対する確率、全打球に対する確率とも、並み居るパワーヒッターを抑えて、リーグトップ。7日現在、リーグトップの32本塁打を放ち、OPS(出塁率+長打率)が1.064でリーグ2位なのも当然の結果と言える。
■バレル/打席数
1. 大谷翔平(エンゼルス) 15.2%
2. フェルナンド・タティースJr.(パドレス) 13.2%
3. アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 12.1%
4. ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス) 12.0%
5. ブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ) 11.3%
■バレル/全打球
1. 大谷翔平(エンゼルス) 25.4%
2. フェルナンド・タティースJr.(パドレス) 22.2%
3. ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス) 19.9%
3. アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 19.9%
5. ジェイ・ギャロ(レンジャーズ) 18.6%
参照:「Baseball Savant」
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