連載:プロ野球・スポナビ的新人王レース<中間発表>

オリックス・宮城大弥が語る大躍進の理由 新人王への課題&山本由伸の教えも明かす

前田恵
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 オリックス高卒2年目左腕・宮城大弥は、昨季終盤にプロ初勝利を挙げると、今季は6月13日現在で先輩の山本由伸投手と並びチームトップの6勝。さらに、球宴ファン投票の中間発表ではパ・リーグ先発部門でトップを走る。一躍「新人王の最有力候補」に躍り出た、人気も実力もうなぎ上りの宮城に、これまでの活躍の要因と後半戦に向けての抱負、そして、「新人王」獲得への意気込みについて聞いた。

ダルに絶賛された高校時代

高校時代にダルビッシュから絶賛されたことが自信になったという宮城だが、プロ入り後の努力と練習で今を築き上げた。 【写真は共同】

――興南高時代、ダルビッシュ有投手(現パドレス)に「投げ方、球筋、総合的に好きすぎる」とTwitterで絶賛されましたね。これは宮城投手自身、自信があったところなのか、それともダルビッシュ投手の言葉で「これが俺の長所なんだ」と逆に意識したのか、どちらでしょう?

 ダルビッシュさんがあんなふうにツイートしてくださって、とてもうれしかったです。自分ではまったく意識していなかった部分なんですが……。でもダルビッシュさんに褒められて、結構自信になりました。

――高校からプロ入りするにあたって、ここはもっと伸ばしておかなければいけないなと思って練習した部分はどこでしたか?

 もう技術的にもメンタル的にも、全部足りないと思っていました。まずマウンドで落ち着くことですね。ピンチになると、どうしても焦る自分が出てきてしまうので、練習からさまざまな場面を想像しながら、常に落ち着いて投げられるようにしようと思いました。

――それからわずか2年。今はマウンドで、19歳とは思えない落ち着きぶりを見せています。

 1年目は環境が変わって、まだ慣れていない部分もあったんです。でも少しずつ新しい環境に慣れて、いろんな人とコミュニケーションが取れるようになって、変わってきたというか。高校時代と同じように、練習からいろいろ想定して投げるなど、しっかりできるようになりました。

――ちなみに高校時代、監督さんに「琉球ジジイ」と呼ばれていたのは落ち着いていたから?

 いえ、それは単に顔が老けているからです(笑)。

カーブの有効活用が投球の幅を広げた

かつてはスライダーを多用することが多かったという宮城(左)だが、カーブの有効活用によって投球の幅が広がったと振り返る 【写真は共同】

――あら、そうなんですね……(笑)。よく「立場が人をつくる」と言いますが、1軍のマウンドに上がるようになって、ますますメンタル面が安定してきたのでは?

 それもあると思いますが……。
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著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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