メジャー大会で初導入の「距離計測器」 選手たちのプレーにどんな影響を及ぼすか
距離計測器は過去にPGAの下部ツアーで試験的に導入されたことがあるが、今回の全米プロでメジャー大会では初めて使用が認められる 【Photo by Julian Herbert/Getty Images】
コースチェックではすでに不可欠なアイテム
距離計測器と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思うので、少し説明しましょう。
計測器には、測定方式の違いによって、主にレーザー式とGPS式の2種類があります。目に見える2点間の距離を測るにはレーザーのほうが正確です。そのためほぼすべてのプロとプロキャディはレーザー式の距離計測器を利用しています。
GPSはその場所から、例えばグリーンセンターまでの任意の地点までの距離を計測します。グリーンセンターといっても、グリーンの形状によっては、正確なセンターの位置を決めづらいところもあるでしょう。GPS計測の誤差が出やすいのはそんなときです。1ヤードにしのぎを削るツアープロにとっては使いにくい面がありますが、一般的なアマチュアにとっては十分活用できるでしょう。特に、操作が必要なく距離が表示できること、グリーンセンターだけでなく、エッジやグリーン奥の距離、ハザードまでの距離などの表示ができるものがあるなど、GPS式ならではのメリットもあります。
どんどん進化しているゴルフ用距離計測器ですが、実はその歴史は古く、20年以上前から存在していました。ただし、使用するのはシリアスな上級ゴルファーが中心。潮目が変わったのは2019年のルール改正です。2点間の距離を測る距離計測器の使用がゼネラルルールで正式に認められたことで、一般のゴルファーでも使用する人が急増したのです。
プロトーナメントの世界では、練習ラウンドでプロキャディがコースチェックする際に、距離計測器はすでに欠かせないアイテムになっています。ルール改正で認められた後も、これまではローカルルールによって距離計測器の使用を禁止する試合がほとんどでしたが、今回の全米プロで使用が認められたことで、いよいよプロがプレー中に距離計測器を活用する時代が到来しようとしています。
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