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松山英樹の何がどう変わったか?
4年前からの「進化」をプロコーチが分析

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今年4月のマスターズでメジャー初制覇を果たした松山。全米プロにはどんな気持ちで臨むのか
今年4月のマスターズでメジャー初制覇を果たした松山。全米プロにはどんな気持ちで臨むのか【Getty Images】

 先日のマスターズで初めてメジャータイトルを勝ち取った松山英樹だが、2017年のPGAチャンピオンシップ(全米プロ)でもメジャー制覇に近づいている。しかし、首位に1打差の2位タイで最終日を迎えながら、この試合では栄冠を手にできなった。マスターズ王者として今週の全米プロ(5月20〜23日)に臨む松山は、4年前に同大会を戦った当時と比較してどう進化したのか。かつて丸山茂樹のコーチとしてメジャー大会を経験し、現在はPGAツアーの中継を中心にゴルフアナリストとしても活躍するプロコーチの内藤雄士氏に解説をお願いした。

意外と早くメジャータイトルを獲れた

 2017年の全米プロで松山英樹プロは「負けた」と言われていますが、僕は「松山プロが負けた」のではなく「ジャスティン・トーマスが勝った」試合だったと思っています。


 前週のWGCブリヂストン招待で優勝して会場入りした松山プロは、全米プロの最終日まで好調を維持していました。対するトーマスは、最終日前半でのプレーは冴えず苦戦。しかし、そんななか、左サイドグリーン外からのアプローチが一旦カップの縁で止まりかけてから入って、バーディ奪取。その際、深々とお辞儀をしたことでギャラリーが沸き、トーマスの“ホーム試合”にしたきっかけになりました。これがトーマスに勇気を与えたように見えました。技術的なレベルで言えば、スイングの完成度も高くて、あの全米プロは松山プロが勝ってもおかしくなかった試合でした。


 もうひとつ言えることは、勝てなかったことも大切だということです。「自分が勝って成功した数より、何倍も失敗しているから努力できる」とマイケル・ジョーダンは言っています。


 メジャーで18回優勝しているジャック・ニクラウスもメジャーでの2位の数は19回もあります。優勝争いに加わった数はもっと多いでしょう。それに比べて松山プロは、メジャーでまだ数回しか優勝争いをしていません。2位になったのも同じ17年の全米オープンだけです。PGAツアーのトップランカーからすれば、「ヒデキは意外と早くメジャータイトルを獲れたね」ということになるのではないでしょうか。

今回の全米プロは試金石となる大会

17年の全米プロは最終的に5位に終わったが、当時のスイングは完成度がとても高かったと内藤氏は分析
17年の全米プロは最終的に5位に終わったが、当時のスイングは完成度がとても高かったと内藤氏は分析【Getty Images】

 メジャーだけではなく、勝つときには巡り合わせというものもあります。先日のマスターズでは、世界ランキングの上位選手、例えばダスティン・ジョンソンとかローリー・マキロイなどが軒並み予選落ちして、決勝ラウンド2日間ではザンダー・シャウフェレという親日家の選手とまわれた幸運もありました。そういう巡り合わせがなくても勝つのがキャリアグランドスラム(メジャー4大会ですべて勝つ)を達成している選手たちです。


 タイガー・ウッズのように、巡り合わせがどうであろうが、調子が良ければ勝つときは勝つ。そいう域にまで松山プロは行くのか、行ってくれるのか。行ってくれれば嬉しいなというのが僕のなかにはあります。


 そういう意味では今回の全米プロは注目です。松山プロが意外とニュートラルな気持ちで臨むのか、それともマスターズチャンピオンとして格好悪いところは見せられないという気持ちで臨むのか、その心の内は分かりませんが、ある意味で試金石となる試合になるのではないでしょうか。

久保田千春

長らく週刊ゴルフダイジェストでトーナメント担当として世界4メジャーを始め国内外の男子ツアーを取材。現在はフリーのゴルフジャーナリストとして、主に週刊誌、日刊誌、季刊誌になどにコラムを執筆している。

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